約 2,512,773 件
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/58.html
スキル名称 LV MN SP LVUP効果 説明 備考 LIFEボーナス 1 0 150 スキル習得 最大LIFEにボーナスを得る LF最大値10%UP 2 550 LF最大値↑ LF最大値5%UP 3 1500 LF最大値↑ LF最大値5%UP 4 3000 LF最大値↑ LF最大値5%UP 5 5500 LF最大値↑ LF最大値5%UP MANAボーナス 1 0 300 スキル習得 最大MANAにボーナスを得る MN最大値10%UP 2 700 MN最大値↑ MN最大値5%UP 3 2000 MN最大値↑ MN最大値5%UP 4 4000 MN最大値↑ MN最大値5%UP 5 6000 MN最大値↑ MN最大値5%UP ダガ|装備時 タランテラ 1 2 120 スキル習得【ダガー専用】 敵単体にダメージ+麻痺効果 2 350 攻撃力↑ 麻痺↑ 3 700 攻↑ 麻痺↑ 4 1400 攻↑ 麻痺↑ MN 2→3 5 3 2500 攻↑ 麻痺↑ クリティカル発生 敵単体にダメージ+麻痺効果+CRT効果 6 4 3500 攻↑ 麻痺↑ MN 3→4 7 4500 攻↑ 麻痺↑ CRT率↑ 8 5 6500 攻↑ 麻痺↑ MN 4→5 9 8000 攻↑ 麻痺↑ CRT率↑ 10 9500 攻↑ 麻痺↑ CRT率↑ スコルピオ 1 2 - - 敵単体にダメージ+毒効果 最初から習得 2 120 攻撃力↑ 毒↑ 3 350 攻↑ 毒↑ 4 700 攻↑ 毒↑ MN 2→3 5 3 1500 攻↑ 毒↑ クリティカル発生 敵単体にダメージ+毒効果+CRT効果 6 4 3000 攻↑ 毒↑ MN 3→4 7 4000 攻↑ 毒↑ CRT率↑ 8 5 6500 攻↑ 毒↑ MN 4→5 9 8000 攻↑ 毒↑ CRT率↑ 10 9500 攻↑ 毒↑ CRT率↑ ヴァンパイア 1 5 300 スキル習得【ダガー専用】 敵単体に小ダメージ+LIFE回復(対象出血時回復量↑) 2 650 攻撃力↑ 吸収↑ 3 1500 攻撃力↑ 吸収↑ クリティカル発生 4 6 3000 攻↑ 吸収↑ MN 5→6 敵単に中ダメ+LIFE回復(対象出血時回復量↑)+CRT効果 5 4500 攻↑ 吸収↑ CRT率↑ フルムーンヴァンプ 1 12 5000 スキル習得【ダガー専用】 敵単に中ダメ+全体LF回復(対象出血時回復量↑)+CRT効果 2 5500 攻撃力↑ CRT率↑ 3 6000 攻撃力↑ CRT率↑ 4 7500 攻撃力↑↑ CRT率↑ 5 9000 攻撃力↑↑ CRT率↑ ベノムアンプリフ 1 5 2500 スキル習得【ダガー専用】 敵単体に小ダメージ+毒を重症化させて効果ターンを延長する 2 3000 攻撃力↑ 3 5500 攻撃力↑ クリティカル発生 敵単体に小ダメージ+毒を重症化+効果ターン延長+CRT効果 4 7000 攻撃力↑ CRT率↑ 5 9500 攻撃力↑ CRT率↑ アサシンアイズ 1 2 200 スキル習得【ダガー専用】 5ターンの間、自分の攻撃力↑+通常攻撃のCRT率が50%↑ 2 650 クリティカル率↑ 攻撃量↑ 5ターンの間、自分の攻撃力↑+通常攻撃のCRT率が55%↑ 3 1300 CRT率↑ ターン数5→6 6ターンの間、自分の攻撃力↑+通常攻撃のCRT率が60%↑ 4 2800 CRT率↑ 攻撃量↑ 6ターンの間、自分の攻撃力↑+通常攻撃のCRT率が65%↑ 5 4500 CRT率↑ ターン数6→7 7ターンの間、自分の攻撃力↑+通常攻撃のCRT率が70%↑ ベノムフェティシュ 1 0 1000 スキル習得【ダガー専用】 【自動発動】ターン終了時、敵単体に攻撃+毒効果 2 1500 攻撃力↑ 毒強化 3 2000 攻撃力↑ 毒強化 4 2500 攻撃力↑ 毒強化 5 3000 攻撃力↑↑ 毒強化 銃装備時 ラッシュショット 1 15 5000 スキル習得【銃専用】 敵単体に4回攻撃する+空中の敵に有効+CRT効果 2 6500 攻撃回数4→5 敵単体に5回攻撃する+空中の敵に有効+CRT効果 3 7500 攻撃回数5→6 敵単体に6回攻撃する+空中の敵に有効+CRT効果 4 8500 攻撃回数6→7 敵単体に7回攻撃する+空中の敵に有効+CRT効果 5 9500 攻撃回数7→8 敵単体に8回攻撃する+空中の敵に有効+CRT効果 エイミングショット 1 6 - - 敵単体に大ダメージ+空中の敵に有効 2 150 攻撃力↑ 3 400 攻撃力↑ 4 800 攻撃力↑ 5 1500 攻撃力↑ 攻撃必中効果 敵単体に大ダメージ+空中の敵に有効+攻撃必中 6 3000 攻撃力↑ 盲目効果 敵単体に大ダメージ+空中の敵に有効+攻撃必中+盲目効果 7 3500 攻撃力↑ 盲目↑ 8 4000 攻撃力↑ 盲目↑ 9 5000 攻撃力↑ 盲目↑ 10 6500 攻撃力↑ 盲目↑ ダンシングバレット 1 7 200 スキル習得【銃専用】 敵全体を攻撃+空中の敵に有効 2 650 攻撃力↑ 3 1800 攻撃力↑ 4 3500 攻撃力↑ 5 5500 攻撃力↑ ジャンプショット 1 8 2000 スキル習得【銃専用】 敵単体に跳弾を放ち、次ターンから自動で2回攻撃する ○回攻撃というのは、1回の攻撃回数ではなく持続ターン数 2 3500 攻撃回数2→3 敵単体に跳弾を放ち、次ターンから自動で3回攻撃する 3 5000 攻撃力↑↑ 4 6500 攻撃回数3→4 敵単体に跳弾を放ち、次ターンから自動で4回攻撃する 5 8500 攻撃力↑↑ ハイディング 1 0 150 スキル習得【銃専用】 5ターンの間、自分の狙われ率↓+通常攻撃のCRT率50%↑ 最速行動 2 500 狙われ率↓ クリティカル率↑ 5ターンの間、自分の狙われ率↓+通常攻撃のCRT率60%↑ 3 1500 狙われ率↓ クリティカル率↑ 5ターンの間、自分の狙われ率↓+通常攻撃のCRT率75%↑ 4 2000 狙われ率↓ クリティカル率↑ 5ターンの間、自分の狙われ率↓+通常攻撃のCRT率90%↑ 5 3500 狙われ率↓ クリティカル率100% 5ターンの間、自分の狙われ率↓+通常攻撃のCRT率100% ブッシュトラップ 1 2 300 スキル習得【銃専用】 ハイディング中に味方が攻撃されるとクリティカルで反撃する 最速行動で待機状態 2 1000 攻撃力↑ 3 2500 攻撃力↑ 4 4000 攻撃力↑↑ 5 6000 攻撃力↑↑ チーターマン 1 0 3000 スキル習得【銃専用】 【自動発動】次のターン味方全員が最速行動できる 発動はターン終了時 アサシンズリアクト 1 3 1000 スキル習得 6ターンの間、CRTを成功させると再行動が可能になる エスケイプスタンス 1 0 500 スキル習得 高確率で逃走できる+最速効果 サプライズハント 1 0 500 スキル習得 【自動発動】低確率で先制攻撃できる 2 1500 先制確率↑ 3 3500 先制確率↑ 不意討ち無効効果 【自動発動】低確率で先制攻撃できる+不意討ちを無効化する 不意討ち無効は確率で成功 4 4500 先制確率↑ 5 5500 先制確率↑ トリックハンド 1 2 200 スキル習得 5ターンの間、味方全員が使う回復アイテムの効果を上げる 2 500 ターン数5→6 6ターンの間、味方全員が使う回復アイテムの効果を上げる 3 1500 効果量↑ 4 2500 ターン数6→7 7ターンの間、味方全員が使う回復アイテムの効果を上げる 5 5000 効果量↑ サクリファイス 1 50 9999 スキル習得 敵全体に大ダメージ+味方全回復+使用者は消滅(LOST)する 使用するとキャラが消えて使えなくなる 狂咲きバッドヘヴン 1 30 9500 スキル習得 【EX専用奥義】敵単体に大ダメージ+複数の状態異常効果
https://w.atwiki.jp/7d2020/pages/4.html
ニュース @wikiのwikiモードでは #news(興味のある単語) と入力することで、あるキーワードに関連するニュース一覧を表示することができます 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_174_ja.html たとえば、#news(wiki)と入力すると以下のように表示されます。 【グランサガ】リセマラ当たりランキング - グランサガ攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) Among Us攻略Wiki【アマングアス・アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ひなこい】最強ひな写ランキング - ひなこい攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) マニュアル作成に便利な「画像編集」機能を提供開始! - ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」 - ヨコハマ経済新聞 【Apex Legends】ヴァルキリーの能力と評価【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) モンハンライズ攻略Wiki|MHRise - AppMedia(アップメディア) 【ウインドボーイズ】リセマラ当たりランキング(最新版) - ウインドボーイズ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンBDSP(ダイパリメイク)攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【テイルズオブルミナリア】リセマラ当たりランキング - TOルミナリア攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) SlackからWikiへ!シームレスな文章作成・共有が可能な「GROWIBot」リリース - アットプレス(プレスリリース) 【ウマ娘】チャンピオンズミーティングの攻略まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ナリタブライアンの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】ヒシアケボノの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】フジキセキの育成論|URAシナリオ - Gamerch(ゲーマチ) ドラゴンクエストけしケシ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) サモンズボード攻略wiki - GameWith 【スタオケ】カード一覧【金色のコルダスターライトオーケストラ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ブレフロレゾナ】リセマラ当たりランキング【ブレイブフロンティアレゾナ】 - ブレフロR攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】サーナイトの評価と性能詳細【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ガーディアンテイルズ】ギルドレイド戦(秘密の研究所)の攻略とおすすめキャラ【ガデテル】 - Gamerch(ゲーマチ) 仲村トオル、共演者は事前に“Wiki調べ” - 沖縄タイムス 【ENDER LILIES】攻略チャートと全体マップ【エンダーリリィズ】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ウマ娘】あんしん笹針師の選択肢はどれを選ぶべき? - Gamerch(ゲーマチ) 【ポケモンユナイト】アップデート情報・キャラ調整まとめ - ポケモンユナイト攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Apex】シーズン11の新要素と最新情報まとめ【エーペックス】 - Gamerch(ゲーマチ) ロストジャッジメント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【Among us】新マップThe Airship(エアシップ)の解説【アモングアス】 - Gamerch(ゲーマチ) ハーネスについて小児科医の立場から考える(坂本昌彦) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ゼルダ無双攻略Wiki|厄災の黙示録 - AppMedia(アップメディア) ウマ娘攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) ゲトメア(ゲートオブナイトメア)攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【白夜極光】リセマラ当たりランキング - 白夜 極光 wiki - Gamerch(ゲーマチ) お蔵入りとなった幻の『スーパーマリオ』 オランダの博物館でプレイ可能?(リアルサウンド) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「ITreview Best Software in Japan 2021」のTOP50に選出 - PR TIMES 真女神転生5攻略Wiki|メガテン5 - AppMedia(アップメディア) 【B4B】近接ビルドデッキにおすすめのカード【back4blood】 - Gamerch(ゲーマチ) ポケモンスナップ攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 富野由悠季「ブレンパワード」作り直したい!ファンを前に意欲(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】査定効率から見た取るべきスキルとおすすめキャラ【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) 【スマブラSP】カズヤの評価とコンボ【スマブラスペシャル】 - Gamerch(ゲーマチ) ナレッジ共有・社内wiki「NotePM」が「ITreview Grid Award 2021 Fall」で、チームコラボレーションとマニュアル作成部門において「Leader」を5期連続でW受賞! - PR TIMES メモ・ドキュメント・wiki・プロジェクト管理などオールインワンのワークスペース「Notion」が日本語ベータ版提供開始 - TechCrunch Japan 【ギアジェネ】リセマラ当たりランキング【コードギアス】 - ギアジェネ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) モンスターファーム2(MF2)攻略wiki|アプリ・Switch移植版 - AppMedia(アップメディア) 【ブラサジ】最強キャラTierランキング【ブラックサージナイト】 - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】鬼滅の刃コラボ情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) 【SPAJAM2021】第3回予選大会は「クイズ!WIKIにゃんず!」を開発したチーム「かよちゃんず」が最優秀賞! | gamebiz - SocialGameInfo 検索結果における「ナレッジパネル」の役割とは・・・ウィキメディア財団とDuckDuckGoの共同調査 - Media Innovation ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が「BOXIL SaaS AWARD 2021 Autumn」にて「コラボレーション部門」を受賞! - PR TIMES 【ポケモンユナイト】カメックスの評価と立ち回り【UNITE】 - Gamerch(ゲーマチ) Wikipediaが「中国人編集者の身の安全を守るため」に一部の編集者アカウントをBANに - GIGAZINE 【ドッカンバトル】3.5億ダウンロードキャンペーン最新情報 - ドッカンバトル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) BTS(防弾少年団)のV、8月のWikipedia閲覧数が韓国アーティストで1位!グループでは4ヶ月連続トップ - Kstyle 【イース6オンライン】リセマラ当たりランキング|召喚ガチャの開放条件は? - Gamerch(ゲーマチ) BacklogからNotePMへwiki情報を自動API連携する「Backlog to NotePM」をSaaStainerに掲載開始 - PR TIMES ライザのアトリエ2攻略Wiki - AppMedia(アップメディア) 真女神転生3リマスター攻略Wiki|メガテン3 - AppMedia(アップメディア) タスクも文書もWikiもデータベースもまとめて管理できる「Notion」とは? - ASCII.jp ナレッジ共有・社内wikiツール「NotePM」が、見るだけ専用ユーザー『無料』の新プランを発表! - PR TIMES 【かのぱず】リセマラ当たりランキング【彼女お借りします】 - Gamerch(ゲーマチ) 【乃木フラ】リセマラの必要はある?【乃木坂的フラクタル】 - Gamerch(ゲーマチ) メトロイド ドレッド攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 【パワプロ】生放送まとめ|パワフェス2021 - パワプロ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ルーンファクトリー5攻略wiki|ルンファク5 - AppMedia(アップメディア) シャーマンキングふんばりクロニクル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 簡単操作で自分専用Wikiを構築できるMarkdownエディタ「Obsidian」のモバイル版を使ってみた - GIGAZINE ディーサイドトロイメライ攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 情報マネジメントツール「Huddler」がwiki機能を刷新 - PR TIMES シェアエコ配送アプリ「DIAq(ダイヤク)」のアンカーアプリで、高層ビル・商業施設の入館方法などお役立ち情報をまとめた「DIAqwiki」を公開 - アットプレス(プレスリリース) 異常熱波のカナダで49.6度、いま北米で起きていること(森さやか) - 個人 - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ツイステ】マスターシェフの攻略~辛味のふるさと~【料理イベント】 - Gamerch(ゲーマチ) 【ラグナロクオリジン】リセマラは不要?おすすめ職業は?【ラグオリ】 - Gamerch(ゲーマチ) 白夜極光攻略wiki - AppMedia(アップメディア) 【バイオミュータント】2.02アプデ|アップデート1.4情報 - バイオミュータント攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ニーアレプリカントリメイク攻略wiki|ver.1.22 - AppMedia(アップメディア) 【ウマ娘】ゴルシウィークはいつから?キャンペーン情報まとめ - Gamerch(ゲーマチ) シーズン66 - 【超速GP】ミニ四駆 超速グランプリ攻略まとめwiki - 電撃オンライン 乃木坂的フラクタル攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) 「こんなことになるとは…」13年前のエイプリルフールについた“嘘”がネットで… ある男の告白(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース 【ウマ娘】DMM版のデータ連携のやり方とメリット【プリティーダービー】 - Gamerch(ゲーマチ) 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki)「Nerve」シードラウンドで総額約3500万円の資金調達を実施 - PR TIMES Nerve - 整理不要の情報共有ツール(社内Wiki) ローンチカスタマー募集開始のお知らせ - PR TIMES パニシンググレイレイヴン(パニグレ)攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) 稲作アクションRPG『天穂のサクナヒメ』における「農林水産省攻略wiki説」は本当なのか? - AUTOMATON スタスマ攻略Wiki【スタースマッシュ】 - Gamerch(ゲーマチ) 無料とは思えない多機能っぷりなWikiインフラ「Wiki.js」レビュー、自前でホスト&外部サービスと連携可能 - GIGAZINE Microsoft Teamsの基本と活用(24) TeamsのWikiを使う - マイナビニュース 『ゲーミングお嬢様』での提起が話題に “企業系wiki”に横たわる問題点とは - リアルサウンド 「エイリアンのたまご」,自動周回機能と公式wikiが登場 - 4Gamer.net 【リゼロス】Re ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories攻略まとめwiki - 電撃オンライン 【世界初!】モノの背景を全方位で執筆できるVintage Wiki「VOV」を正式リリース - PR TIMES 足もとのベストアンサーを“編集”! Wikiペディキュア! - ビューティ特集 | SPUR - SPUR.JP パワプロ2021/2020攻略Wiki - Gamerch(ゲーマチ) ヌーラボ、「Backlog」の絵文字入力の補完機能やWiki編集の自動マージ機能を改善 - CodeZine(コードジン) ヌーラボ、プロジェクト管理ツール「Backlog」の絵文字入力の補完機能・Wiki編集の自動マージ機能を修正改善 - PR TIMES アサルトリリィ Last Bullet 攻略Wiki【ラスバレ】 - Gamerch(ゲーマチ) SHOW BY ROCK!! Fes A Live攻略wiki - Gamerch(ゲーマチ) Backlog、Wikiにファイル添付が容易にできる機能をリリース -- グローバルバーの視認性改善なども実施 - PR TIMES GK川島、パンチング失点でWiki書き換え炎上 「セネガル代表」「プロボクサー」... - J-CASTニュース Wikipediaで「ヒト」を象徴する画像が、タイの男女に決まるまで 5年の激論を経て選ばれた「1枚」の物語 - WIRED.jp
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/12.html
投下させていただきます また眼鏡メイジ♂×紫姫ですが、 コスプレ、3P、アナル、失禁、等々の表現があります 中盤の帝竜の名前やクエストのネタバレ等もあります 登場人物 カルダモン(眼鏡メイジ♂)前半は殆ど出てこない アニス(紫プリンセス)変な知識を植えつけられる ヴァニラ(青プリンセス)変なことを教える ユーカリ(ルシェヒーラー)金の亡者、扱い酷い 「もし、あなたの身に何かあったら…私は悲しみのあまり泡になってしまいます わ…」 南国育ちの少女にそう言われ、顔を赤くする男が一人。 そんな様子を見て、不機嫌そうにムスッとする女が一人。 ここはマレアイア群島国。白い砂浜、青い海。南国でバカンス、 と洒落込みたいところだがドラゴンの出現によりそんなことをしている余裕は無 い。 帝竜ドレッドノートを撃破し、マレアイア周辺のドラゴンによる脅威は去ったが 、未だ世界はフロワロに覆われ、ドラゴンが跋扈している。 全ての竜を刈り尽くし、エデンに平和をもたらすまで彼等の冒険は続く。 で、そこで先程の場面に戻る。少女が男にこんな告白紛いな事を言うのも、つい 先日の出来事が発端であった。 マレアイア群島国の騎士シャンドラが出したクエスト。 彼女はマレアイアに居る男性嫌いの女性達を説得しろ、と申し出たのであった。 そして、今まで男を見たことが無かった南国育ちの少女に頼まれたゴージャスな 羽を少女にプレゼントしたのだった。 渡した男、カルダモンは何か特別な感情を抱いてその様な行動をしたのではなく 、何も考えずにそうしただけである。 だが、そんな場面を見せられて彼と一応恋仲であるアニスは心穏やかではいられ ない。 それからというものの、何かにつけて彼女は彼に当り散らしている。 やきもちを焼いている、なんて口が裂けても言えるわけが無い。 行き場の無い怒り、というよりも素直になれない自分への苛立ちがアニスの心を 支配している。 「私にはプレゼントの一つもくれたことないくせに…」 散々、彼に当り散らして戦闘不能状態にまで追いやった彼女は一人語ち、大きな 溜息を吐いた。 看護する気にもなれないので、ユーカリに押し付けた。 別に物が欲しいわけではない。彼に抱きついて甘えて、他の人を見ないで、私だ けを見て、と正直に言うことが出来ればどれだけ気持ちが楽になるだろうか。 だが、それでは自分ばっかり彼のことが好きみたいで何だか見っとも無い。はふ ぅ、と再び大きな溜息を吐く。 「おやおやー、アニスちゃんもしかして…ヤキモチ焼いてるのだ?」 「んなっ…そ、そんなわけないでしょ!」 いきなり背後からヴァニラにがばっと抱きつかれて、驚くと同時に図星を指され てうろたえ、顔を真っ赤にして必死に否定する。 が、そんなことくらい当然見破られてしまうわけで、ヴァニラはアニスの様子を 見ながらにやにやしている。 「でも、最近アニスちゃんイライラしてるのだ」 「そ、それは…えーっと、生理よ、生理!」 「結構長いこと続いてるのだ。それはやばいから、産婦人科に行った方がいいの だ」 「じゃあ、更年期障害よ!」 「アニスちゃん、まだそんな歳じゃないのだ…もしそうだったら、本当に産婦人 科に…」 「もー、いい加減にしてー!」 習得もしていないのに落葉金切りを上げて、辺りに金切り声を響かせる。 町の人はばたばたと倒れていき、零距離で喰らったヴァニラは顔面蒼白でふらふ らしている。一ターンにして地獄絵図の出来上がり。 町中の人にすいませんでしたと謝り、ようやく落ち着いてから、ちゃんと話をし 始める。 「アニスちゃん、生理痛は大丈夫なのだ?」 「今はなってないから…」 顔色が元に戻ったヴァニラに深刻そうな顔で言われるが、先程のは売り言葉に買 い言葉で本当にそういうわけではない。 またもやアニスは大きな溜息を吐く。 「アニスちゃん、そんなに溜息ばっかり吐いてたら、幸せは逃げちゃうのだ。も っとにこにこするのだ」 「あんたに会ったときから不幸だらけな気がするんだけど…」 「そんなことないのだ!ヴァニラはアニスちゃんが幸せになれるようにとっても 協力してるのだ!」 確かに考え直してみれば、ヴァニラのやり方は少しばかり問題は有るかもしれな いが、結果としては悪い方には転んでいないような気がする。 とか何とか、考え初めて正常な判断が出来なくなってきている彼女に追討ちをか けるようにヴァニラは捲し立て、難無く洗脳は完了した。 ちょろいものである。 「お二人とも、どうしたんですか?」 銀色の長髪をなびかせて、やってくる男が一人。 この男、ユーカリは外面だけ見れば、人当たりの良い爽やかな好青年で、 非の打ち所の無いような完璧超人だがその反面、中身は最悪である。 たった一人でこれだというのに、ヴァニラと組めば通った所は草一つ生えない不 毛の大地にさえ至らせ、ドラゴンですら裸足で逃げ出す最凶最悪のコンビになる 。 そうなのだが、幸か不幸かアニスはそのことまで知らない。 「赫々然々なのだ」 「…これはまた面白…じゃなくて、大変そうですね」 「別にそこまで深刻な事じゃないわ…」 口ではそう言っているアニスだが、表情は暗い。 そんな彼女の様子を見て、ヴァニラとユーカリは目を合わすと、その場から少し 離れて何やら相談し始める。 二人がそうしている間もアニスは気にも留めず、憂いの帯びた表情で何度も大き な溜息を漏らす。 そういえば、カルダモンが見当たらないことに気がついた。ユーカリに頼んだの に、彼は一人で来た。 連続クリティカルで沈めてしまったので、少なからず心配してしまう。 「…そういえば、カルダモンは?」 「先程、治療院に運んで治療してもらいましたが、そこを出た瞬間、落葉金切り を喰らってまた倒れましたので、宿屋に置いてきましたよ」 「そ、そう…」 町の中で、しかもいきなりだったので、対処出来なかったようです、と続けるユ ーカリの話を耳に入れながら、 一度ならず二度までも彼を手にかけてしまうなんて…と思ったが、倒れただけで 済んだのだからまだマシ、と思い直したが、後でちゃんと謝っておこう。 「最近、アニスちゃんはカルダモンちゃんに冷たいのだ」 「その原因は…まあ、我々は解っていますが、相手が解っているかどうかまでは 、ちょっと…」 「カルダモンちゃんの鈍さは筋金入りなのだ」 「じゃあ、駄目ですね」 ははは、と暢気に二人は笑っているが、アニスにとってはそんな暢気には構えて いられない状況である。 あれこれ考えても、現状を打破する妙案は一切思いつかない。 一人で悲壮感に満ち満ちた表情で頭を抱えて、うーうー唸っている。 「…アニスさんは相当悩んでいるようですね」 「そうなのだ。というわけで、ヴァニラ達が一肌脱いでやるのだ」 新たな悪巧み、もとい人助けを思いついた二人は不敵な笑みを浮かべる。 人の恋路を邪魔する奴は何とやら、と言うが自分達は別に邪魔をしようとしてい るのではない。 むしろ、応援しているのだ。 やり方は色々と問題が有るかもしれないが…まあ、細かい事は気にしない。 そういうわけで、机に突っ伏している彼女の元へ行き、ちょんちょんと肩を突付 くと、ムスッとした表情で彼女は顔を上げる。 「アニスちゃん、とっても悩んでるのだ?」 「別に…」 「今はそんなことを言っていられる余裕があるかもしれませんが…まあ、今のま までは彼があなたから離れていくのも、時間の問題かもしれませんね」 「……」 「そりゃあ、理由も解らないのに当り散らされても気分が悪いだけですからねえ 」 「アニスちゃん、別に恥ずかしい事でも何でもないのだ。自分の気持ちに正直に なればいいだけなのだ」 「正直に、って言ったって…」 ぼそぼそ小声で何かを呟くアニスは見る見るうちに顔を赤く染めていく。 顔は真っ赤で湯気まで出てきそうだ。目の前でぱたぱたと手を振っても反応は無 い。 「アニスちゃん…?」 「そ、そんなこと言えるわけ無いじゃない!!」 「グハッ…うぅ、アニスちゃん…酷いのだ」 顔を真っ赤にして思考停止したアニスを心配して、声をかけたヴァニラは不意に 鳩尾に彼女の鉄拳を喰らい、 その場にうずくまって涙目になっている。そんな様子を見てユーカリの顔は血の 気が引いたように青ざめた。 「あ…ごめんなさい」 「確かに、この攻撃力ならひ弱なカルダモンちゃんが二発で沈んでも仕方が無い のだ…」 なんとか場を和ませようとそんなことを言いながらヴァニラは笑っているが、そ の笑顔はかなり引き攣っている。 「で、そういう風になかなか正直になれないアニスちゃんには、男の心を掴んで 放さないテクニックを伝授してあげるのだ!」 「今なら、大出血サービスで前金15000Gです」 「え、お金取るの…?」 手をわきわきと動かすユーカリと未だ腹部を抱えて青ざめているヴァニラを怪訝 そうな表情で見て彼女はそう呟く。 提示された金額を持っていないわけではないが、そこそこな高額な値段を要求さ れて、 その額をすんなりと渡す程彼女は判断力を失ってはいない。 「たったそれだけの等価で、人一人…いや、それ以上を自分のものに出来ると考 えれば、安いものです」 「そうかしら…」 ユーカリが延々と語るサービストークに押されて、アニスは自分の財布の紐を取 り出し、懐具合を確認し始めている。 ようやく痛みから解放されたヴァニラはというと、そんな状況をのんびりと眺め ている。 「じゃあ…あ、分割出来る?」 「一括のみです」 アニスは財布から15000Gを取り出し、彼に手渡した。 ユーカリは受け取った金額を数えて確認し終えると、自分の財布ではなくドデカ イ貯金箱を取り出し、それに入れた。 「ではまず、コースの説明ですが…」 「初級コース、中級コース、上級コース、超上級コースの四つがあるのだ」 「下から、5000G、4000G、1000G、500Gとなっております」 コース選択料金と成功報酬はまた別払いですよ、とユーカリは続ける。 一人からどれだけ巻き上げるつもりかは不明だが、とにかく金は取るようだ。 しかし、簡単なものほど金額が高い、というのはおかしなものである。 当然、彼女はそのような疑問を抱く。説明くらいはしてくれるだろう、と思い質 問してみる。 「なんで超上級が一番安いの?」 「超上級は超上級なだけあって、難易度が高くて、初心者にはオススメできない のだ。でもやることは一番簡単なのだ」 どんなことをするかは解らないが、簡単で安いのならば、得だと考えてしまうの が人の性ではなかろうか。 まんまと彼女はその術中にはまる。 「じゃあ、それで」 軽い気持ちで言うアニスをヴァニラは神妙な顔付きで見る。 ユーカリはにたにた笑っている。 「…本当に後悔しないのだ…?」 「ええ」 金額をユーカリが催促するので、財布から500Gを取り出し、貯金箱に入れる。 「…わかったのだ。じゃあ、アニスちゃんにはこれをあげるのだ」 どこから取り出したのか、ヴァニラは紙袋を一つ彼女に渡した。 で、その袋の中身を取り出してみる。 黒色の長い…耳? 「これ何?」 「ウサミミっていう奴なのだ」 「ふーん…」 カチューシャだから頭につけれるのだ。と言われたので、冠を外して、つけてみ る。 鏡に映った自分の姿を見てみると、なんだかちょっと気恥ずかしい。 少し動くと耳がぴこぴこ動く様子を少し楽しんでみる。 「これだけ?」 「それだけなのだ」 どうしてこれが超上級なのか解らないままだが、まあいいか、と思いウサミミを 外そうとすると、ヴァニラに止められた。 「…?これをつけるだけじゃないの?」 「それだけなのだ」 妙にヴァニラは「だけ」というところを強調する。 「いっぺんやってみればいいのだ。そしたら、もう二度としたくなくなるのだ」 と言う彼女の雰囲気はなんだか重苦しい。 そんな様子を見せられては不安になってしまう。何故だか嫌な予感がする。 「…もしかして、これしかつけない、ってこと?」 まさかそんなわけは無いだろう、あるわけ無い、無いって言ってくださいお願い します、と祈りつつ尋ねると、ヴァニラは無言で頷く。 「…あと、これもつくのだ」 シャツの襟と袖口らしきものを手渡された。こんなもので体を隠せるわけがない 。 何のプレイだ。マニアック過ぎる。なぜ超上級なのかをようやく理解した。 「…ほ、ほらアニスちゃん、一度この格好をしてみるのだ。これも経験なのだ」 ヴァニラは顔を引き攣らせてそう言いながら、アニスの服を脱がそうとし始める 。 ギャラリーと化しているユーカリは笑いながら茶を飲んでいる。 「するわけ無いでしょ!5000Gのでいいわよ!」 「キャンセル料金は2000Gです」 「…っく、払えばいいんでしょ!払えば!」 すっかり軽くなった財布の中身を見てアニスは溜息を吐く。 彼女とは対照的にたった一時間ほどで二万G以上稼いだユーカリは上機嫌で紙幣を 数えている。 「これはまともなんでしょうね…」 疲れた顔でそう言いながら、彼女は新たに渡された紙袋の中身を確認する。 今回はちゃんと上下が揃っているし、長袖のロングスカートで露出はほとんど無 く、色も地味だ。 「使用人が着る服なのだ」 確かに各地の町で見かけるメイドが身につけている衣服と細部は多少違えども、 ほぼ同じものだ。 「男の人って、メイドが好きなの?」 「私は特別好きではありません」 「使用人という職業のイメージや、視覚的なものが大部分を占めてるのだ。とい うわけで、着てみるのだ」 先程と違って、その服を着ない理由も無いので、ドレスを脱ごうと手をかけたが 、 いつまでも茶を飲んでいるユーカリの存在を思い出し、彼をギルドハウスから追 い出してから、メイド服に着替えた。 普段身につけているドレスよりもゆったりしていて、装飾も少ないがこれはこれ で味があるような気がする。 「で、この格好をしてどうするの?私、アースブレイカーなんて出来ないわよ」 「そんなアグレッシブな事はしないのだ。メイドの仕事を考えてみるのだ」 自分の周りには使用人はいないが、各地の町で見かけるメイドが何をしているか 思い出す。 「旅。って、ことはやっぱりアースブレイカーか…」 「確かに各地で会うけど、あのメイドさんは特別なのだ。他のメイドさんの仕事 なのだ」 「メイドの仕事ねぇ…うーん…」 掃除、洗濯、料理等々仕事はたくさんある。家事の苦手なアニスにとって、使用 人という職はかなり難しいものであろう。 「料理が苦手なアニスちゃんでも、簡単に作れる料理があるのだ。材料もあるし 、作り方を教えてあげるのだ」 調理場に移動し、その料理の調理法を教えてもらった。料理に関するスキルが上 がったような気がした。しただけ。 そして、その晩。 餌をくれ、と擦り寄ってくるタマに餌をあげ、撫でくり回して遊んであげる。 早く来ないかな、と思う半面、来たら来たでどきどきしてしまうので、来なくて もいいとも思ってしまう。 「ああー、どうしよう…やっぱり止めようかな…」 「何がですか?」 「きゃあああああっ!!」 いきなり声をかけられたので、驚いて大声を出してしまった。 自分が驚いたのは当然だが、急に大声を上げたので相手もかなり驚いたようで、 うろたえている。 「な、何ですか…いきなり叫んで…」 「あんたがいきなり声をかけるからじゃない…あ、えっと…お帰りなさい…」 「?あ、はい」 顔を真っ赤にして、たどたどしく言うアニスだが、カルダモンは特に気に留める 様子も無く、普通に返事をする。 「あ、ご飯作ったんだけど…食べる?」 「え、アニスが作ったんですか?」 「私だって、料理の一つくらい作れるわよ」 一つ「くらい」ではなく、一つ「しか」作れない、ではあるがその辺に関しては あえて言わないでおく。 「ふふ、すいません…じゃあ、頂いてもいいですか?」 自分でもいい雰囲気だな、と思ってしまうほど順調に事が運んでいる。椅子から 立ち上がり、調理場に移動する。 「…そんな格好して、どうしたんですか?」 彼はようやく彼女の服装が普段と違うことに気がついた。 「別に…たまには、こんな格好もいいかなーって、思ったから。…変かしら?」 「そういう事は無いですが…ただなんとなく、小公女を思い出しました」 「何それ?」 「父を亡くし、お嬢様から小間使いになった少女の話です。 私はその転落っぷりが見てられなくて、途中で読むのを止めてしまいました」 よく解らないが、とりあえず、あまりいい印象は受けてないのだろうか。 だからといって、文句を言うわけでも無いので、それほど悪くもないようだ。 そんなことを考えながら、料理をテーブルに運んだ。と、その途端カルダモンの 表情が凍った。 「…料理って、これ、ですか?」 「ええ。おかわりもあるわよ」 目の前に置かれた器の中で青っぽい色彩の触手がうぞうぞと蠢いている。 ろぉぱぁうどん。 椅子に縛り付けられて、逃げることも出来ず、無理矢理に食べさせられたのを思 い出し、急にきりきりと胃が悲鳴を上げ始める。 テーブルの向かい側に座っている彼女はにこにこと微笑み、彼が自分の手料理を 食べてくれるのを待っている。 果たして、ここは男を上げる為に泣きながらでも腹に入れるべきか。 それとも、自分自身の身を守るために適当に理由をつけて逃げるべきか。 「そういえば、さっき六花亭で晩飯食べたんでした。 …もう、十分食べましたし、申し訳ありませんが、遠慮させて頂きます」 自分の身の可愛さに逃げの選択肢を選んだ。そう言うや否や彼は椅子から立ち上 がり、そのままギルドハウスから出ていこうとする。 「えーっ、一口くらい食べてくれたっていいじゃない。カロリーも低いし、薄味 だし」 そう言いながら彼女はろぉぱぁうどんを持って彼ににじり寄る。 相変わらず触手はうねうねと元気に蠢いている。 一歩近付くと、一歩逃げられる。気不味い雰囲気が二人の間に流れる。 「いえ、もう、本当に…お腹いっぱいなので…それに私、少食ですし」 彼はそう言い残すと背を向けて家から出て行こうとした。 が、メイジがプリンセスに素早さで劣っているのは明らかなので、やっぱり先制 されるわけで。 アンゼリカEXろぉぱぁうどん。 翌朝、町の一角でうどんまみれで倒れているカルダモンが発見された。 だが本人の記憶が曖昧で、目撃証言も無い為、詳細は不明。 「初級ではだめだったから、中級編に移行なのだ」 「中級コースは4000Gです」 不動産パンフレットを本棚から取り出して来て、その本の間に隠していたヘソク リから提示された金額を支払う。 「そんなところに隠していたとは…一度、家捜しでもしてみますか」 ユーカリはそんな事を言いながら受け取った紙幣を数えて、貯金箱に入れた。 「これはアニスちゃんにぴったりだと思うのだ」 そう言うヴァニラの話を耳に入れながら、手渡された紙袋の中身を取り出す。 黒のレザーの布が少ない衣服。更に革の鞭も入っている。 「女王様なのだ」 なんとなくぼんやりとは知っていたが、実際見たのは初めてで、広げてどんなも のかまじまじと見る。 とりあえず、普段の彼女の格好に比べると、かなり露出が多いということだけは わかった。 「でもよく考えたら、アニスちゃんはぱっと見は強気だけど、責められると弱い のだ」 「変な事言わないでよね…」 顔を赤くして文句を言うものの、実際そうなので否定は出来ない。 今回も着替えるだが、男が居ては着替えられない。そういうわけなので、またも やユーカリを追い出した。 で、それに着替えた。 「ちょっと…布、少なくない?」 「これはまだ露出が少ない方なのだ」 上半身はシャツとオープンバストコルセットを身につけ着込んでいるが、 下半身は際どいラインのショーツのみとかなり露出度は高い。 Tバックショーツなので臀部の大部分が見えており、アニスは手で尻を隠そうと する。 もじもじしているアニスを見て、ヴァニラはしゃきっとするように言うが、 言われただけで出来るのならば誰も苦労はしない。 「ロングブーツとガーターベルトがあるけど、どっちがいいのだ?」 「…どっちでもいい」 「投げやりなのは良くないのだ…まあ、それはともかく、ヴァニラが思うにカル ダモンちゃんはガーターベルトの方が好きだと思うのだ」 一体何を根拠にそんな事を言うのかは解らないが、ヴァニラは妙に自身あり気に 言う。 もう殆ど彼女のやりたいようにさせている。それ以前に、抵抗しても意味を成さ ないだろう、という諦めが大部分を占めている。 「このショーツは着脱式で、ガーターベルトはここに取り付けるのだ」 金具を取り外してショーツを脱がすと当然、下は何も穿いていないので薄い茂み が露わになる。 いきなりそんなことをされて、アニスは顔を真っ赤にし、声にならない悲鳴を上 げる。 もし今の状況を誰かに見られたら、もう弁解のしようも無い。 「んー…アニスちゃんは下の毛は薄いけど…一応、処理はしておくのだ?」 「え…ここで?」 「後で一緒にお風呂に入って、そのときにヴァニラがやってあげるのだ」 「そんなことまでしてくれなくてもいいわよ…」 そう言って断るのだが、風呂場に引き摺って連れて行かれ、抵抗も出来ぬまま結 局してもらった。 その際に散々啼かされた。 そして、その夜。 「さ、寒い…お腹冷える…」 椅子に座って肩を抱いて縮こまり、そう呟く彼女の服装は上半身はノンスリーブ シャツとロンググローブで一応布があるが、 下半身は申し訳程度にショーツ一枚があるだけで、殆ど裸に等しい格好である。 このままでは風邪をひいてしまいそうなので、ベッドから毛布を一枚持ってきて 被り、 テーブルに突っ伏していると段々とうとうとし始めてきた。 「ふぁ…まあ、来てから起きればいいわね…」 そのまましばらくすると、すやすやと気持ち良さそうに寝息が立ち始めた。 キィと音を立てて、ギルドハウスの入口のドアが開き、こつこつと硬い足音が夜 の静かな部屋の内に響く。 ぱたんと出来るだけ音を立てないように丁寧に戸を閉める。 足音が近づいて来ても、アニスは眠ったまま目を覚まさない。 「…アニス、こんな所で寝ては風邪ひきますよ」 軽く肩を叩いてもちっとも目覚める気配は無い。体を少し揺さ振ってみても、や はり反応は無い。 カルダモンは周りを見渡して誰も居ないことを確認すると、そっと彼女に顔を寄 せて触れるだけのキスを落とした。 少し身をよじらせて、小さく声を漏らしたが、またすぐに寝息を立て始める。 眠っている彼女を起こすのも悪いので、寝室の方へ運ぼうと思い、 彼女を椅子にもたれさせて抱き上げようとして、ようやくアニスの格好に気が付 いた。 (なんでまた、こんな…) 抱き寄せ抱き上げ、出来るだけ見ないようにするが、やっぱりちらちら見てしま う。 構造が気になるなーとか、スースーしそうだなーとか、適当に言い訳を考える。 彼女をベッドに寝かせて、そのまますぐに立ち去っても良いが、せっかくの機会 だし、相手は眠っているし、 もう少し観察しておこう。ついでにお触りも出来たらしよう、とか何とか考えて 隣のベッドに腰掛けた。 見ているだけでも十分だが、触れることが出来る状況なのだから、お触りしない わけにはいかない。 据え膳食わぬは何とやら。寝込みを襲うようで…実際そうなのだが、多少罪悪感 はあるものの、 決して自分の一方通行なわけではないのだから、と自分自身に言い聞かせて、そ ろそろと近寄る。 「失礼します…」 起こさないように小声で言いながら、胸の膨らみに手をやる。 むに。 小さい。 アニスは胸が小さい事を気にしているようだが、正直なところカルダモンにとっ てはそんな事は気に留めるような問題ではない。 どちらかというと彼女のサイズは、自分の手に収まるサイズなので、むしろ丁度 いいくらいである。 服の上から胸に触れても、彼女は全く反応しない。 タイを解き、彼女が着ているシャツのボタンを一つ、二つ、三つ…もう一個、四 つ外し、前を広げる。 下着は着けておらず、白い肌を覗かせる。 胸の桃色の頂を軽く摘むと、小さく声を漏らした。更に指で転がすと、身をよじ らせる。 更に悪戯しようとしたが、寝返りを打って逃げられてしまった。 と、そこで殆ど隠していない臀部が視界に入ってきた。 一瞬何も穿いてないのか思ったが、前が隠れているのだから穿いてないわけはな い。 Tバックを初めて生で見たので、ついつい凝視してしまう。 ついでに尻も撫でておく。 こんなに布が少なくては寒かろう。毛布を被っていたのも頷ける。 だが、どうして彼女がわざわざこんな格好で寝ていたのかが解らない。 そんなことはともかく、とりあえず脱がす。 だが、予想以上に金具に手間取ってしまい、なかなかショーツが脱がせない。 これとは逆にガーターベルトは楽そうだが、そちらには手を付けない。 だって着けている方がそそるから。 「ん…うぅん…」 もたもたしていると再び彼女が寝返りを打ち、彼女を追おうと手を伸ばしたら、 その手を払い除けられた。 眠っている彼女には一切悪気は無いのだろうが、最近冷たくされているのもあり 、 その仕草が自分を拒絶しているように見えて、これ以上手を出すのを尻込みして しまった。 何も知らずに眠ったままのアニスに布団をかけてやり、その場を後にした。 誰かに声をかけられても、返事をする気力さえ起きない。 ふらふらとした足取りで六剣亭の階段を上がり、ベッドに倒れ込む。 天井を眺めていると、段々と視界が滲んできて、涙が目に溜まってきているのに 気がついた。 眼鏡を外し、頭から布団を被って一晩中しくしく泣いた。 「ぅん…あ、ん…?」 夜中に目を覚ましたアニスは布団を被っていても、肌寒さに身を縮込める。肩を 抱いて、よろよろと身を起こす。 ギルドハウス内には自分以外誰も居ない。今が何時か解らないが、とにかく寝る ような時間だろう。 そのまま二度寝しようかと思ったが、化粧をしたままだったのを思い出し、洗顔 をし、ちゃんとスキンケアしてから眠った。 格好はそのままだったが。 「昨日は何にも無かったのだ?」 「うーん…無かったわね」 昨日は椅子に座ったまま寝てしまい、それから目が覚めたらベッドで眠っていた 。 ベッドに移動した覚えは無いが、寒いから自分の知らない間に動いたのだろうと 、考えた。 ついでにタイとボタンが外れていたが、こちらも眠っているときに自分で外した んだと考えた。 「そういえば、カルダモンが昨日一晩中布団に包まって泣いてました。 五月蝿いのでユコンヴァサラで布団の上から殴っても静かにならないので、 布団を引き剥がしてみたらシールドクラフトを先に使っていましたよ… まあ、その後更に後頭部にスイングクラッシュしたらようやく静かになりました けど」 「それ確実に死んでるわよ…」 どうしてこんなやばい男をギルドに加入させてしまったのだろうか、 と三年前の自分の行動が取り返しのつかない重大な事だと今更ながらにアニスは 気がついたのだった。 だが、まともに回復スキルを使用できるのはギルド内でユーカリだけであり、彼 にギルドを抜けられるのは非常に困る。 「カルダモンちゃんの予想以上の手強さにヴァニラも驚いてるのだ。 次で落ちなかったら、相当なのだ…というわけで、上級編なのだ」 「料金の1000G頂きます」 アニスは黙ったまま財布から1000G取り出し、彼に渡した。 ここ二、三日だけで財布の中身もヘソクリも殆ど使い果たしてしまった。あとは 小銭が少しばかりしか残っていない。 これ以上引き延ばすわけにはいかない。今日で決着をつけなければ。 今回渡された紙袋の中身はエプロンが一枚。なんとなくやることが解った。 だが、これで1000Gとられるのは割に合わないような気がする。 文句を言いたいところだが、ユーカリに口で勝てる自信は無い。勝ち目の無い勝 負を挑む気も更々無い。 「裸エプロン…って、やつ?」 「そうそう、それなのだ。ご飯にする?お風呂にする?それとも…って、やるの だ」 自分がそんな事をしている姿を想像すると自然と顔が赤くなってくる。出来れば そんな事はしたくない。 「若いうちにしか出来ないのですから、思い切ってやってみればどうですか? まあ、やるやらないを決めるのはあなたですが。…ああ、止めるのならば、キャ ンセル料金がかかりますよ」 これ以上の出費は抑えたい。となると、彼女の選ぶ選択肢は限られてくる。 「やるわよ!やればいいんでしょ!」 ここまで来て尻尾を巻いて帰るのも癪だし、金は無いし、 半ばやけくそで言い切り、もうどうにでもなれ、と成り行きに身を任せた。後悔 はある。 そして、その晩。 「お帰りなさい…ご、ご飯にする?お風呂にする?…そ、それとも…わ、わ、わ …」 「そんなことはともかく、束子ありませんか?」 「…へ?タワシ?」 掃除に必要なんです、と彼は続けるが、いきなりそんな事を尋ねられても困って しまう。 だがそれよりも、頑張って言ったのをそんな事扱いされたことに腹が立つ。 ムッとしてそっぽを向いて知らない、と素っ気ない返事をした。 「そうですか…ところでアニス、そんな格好して何をしてるのですか?」 頭の先から爪先まで見て、彼は呆れたような顔をして尋ねる。 「別に…私がどんな格好しようが、あんたには関係無いでしょ!」 「関係ありますよ…ともかく、そんな格好していては、風邪ひきますよ」 そう言いながら彼は身につけているマントを外し、彼女に羽織らせた。 最初の方は小声だったので、アニスの耳には入らなかったのだが。 「どうしたんですか、最近変ですよ。一昨日はメイドで昨日はあれだし…で、今 日はこれですか…何かあったんですか?」 「何にも…」 彼の体にもたれかかり、シャツをぎゅっと掴む。 「…ご飯作ったの!今日は大丈夫だから!」 「…いえ、食事よりも先に風呂…いや、やっぱり束子をください。束子」 ともかくこの状況から抜け出そうと、束子を要求する。 もちろん、アニスが不機嫌になるのは目に見えている。 「ご飯食べてからでも、いいじゃない…」 怒鳴るかと思っていたが、そうでもなかった。 ホッと息を吐いて安堵した次の瞬間、何かが頬を掠った。 振り返ってみると壁には色の悪いリゾットが張り付いている。掃除する箇所が増 えた。 だが、まだ包丁やナイフが飛んでこないだけマシだろうか。 正面に向き直ると、アニスが手にフロワロリゾットを持って、いつでも投げれる ように構えている。 「あーっと…とりあえず、落ち着きましょう。アニス」 そう言ってる間にもリゾットは宙を舞う。 ついでにうどんも飛んでくる。一昨日の分がまだ残っているのだろうか。 ケミカルカラーの料理と言い張るものが家中に撒き散らされて、掃除しなければ ならない箇所がどんどん増えていく。 「ほら…食べなさいよ。勿体ないでしょ」 「貴女が料理を作る方がよっぽど勿体ないですよ」 「…っ、歯ァ食いしばれ!」 アンゼリカEXフロワロリゾット。 ぺちゃ、と音を立てて顔面に張り付き、そのままドンと大きな音を立てて床に沈 んだ。 ちょんちょんと足で蹴り起こして言うことは。 「掃除しておいてね」 アニスはそれだけ言い残すと、服を着て出て行った。 目が覚めて、とりあえず口の中に入ったリゾットを吐き出してから、掃除した。 束子大活躍。 「一体何が駄目なのだ?」 「知らない…」 アニスはテーブルに突っ伏し、泣きながら鼻声で返事をする。 彼女自身に悪いところは沢山ある。だが、それは彼にも同じ事が言える。 「この手は使いたくなかったのだ…最後の手段、米屋作戦なのだ!」 「…ヴァニラ、別にもういいわよ」 「弱気になっちゃ駄目なのだ!ついでにいうと、これはヴァニラはおまけみたい なものなのだ」 「ようやく私の出番ですか…そういうわけで、特別料金で20000G頂きます」 今まで以上の金額を提示するユーカリだが、既にアニスにはそれを支払うだけの 現金を持っていない。 「無いわよ。探しても出てこないわよ」 「無いのならば、体で支払ってもらうだけです」 ユーカリはそう言い放つと突っ伏しているアニスの首根っこを掴んで、 立ち上がらせると俵抱きにして運び、乱暴にベッドに放り投げた。 「ったぁ…一体何なのよ…」 「だから、体で支払ってもらうんですって。まあ、私が間男役です」 そう言いながら近付き、アニスの服に手をかける。 当然、彼女は抵抗するが、男女の力の差もあり、殆ど意味を成さない。 そのうえ更に、羽交い締めにされては抵抗のしようもなく、せいぜい蹴るくらい しか出来ない。 「ちょっと、ヴァニラどういうことよ!?ユーカリ、あんたもこんな小さい子使 って、恥ずかしくないの!?」 「小さい子って…ヴァニラさんはあなたと大して変わりませんよ」 「え…そ、そうなの…?」 「ノーコメントなのだ」 そうやって衝撃の事実に呆然としている間に服は殆ど剥ぎ取られてしまった。 肩を抱いて半泣きで睨みつけようが、暴言を吐こうがユーカリは全く気にする様 子も見せない。 「ヴァニラ…あんた、幾らもらってるの?」 「ヴァニラは1Gももらってないのだ。別にお金が欲しいからこういうことをして いるわけではないのだ」 「そうなの…って、何であんたも脱いでるのよ?」 気が付けば、同じように全裸のヴァニラが横にちょこんと座っている。 絵に描いたような幼児体型で、どう考えても同年代とは思えない。 「こっちの方がやりやすいのだ。…アニスちゃん、たーっぷり可愛がってあげる から心配しなくてもいいのだ」 小首をかしげてにかっと笑う彼女の天使のように愛くるしい笑顔をこんなに憎ら しく思ったのは初めてかもしれない。 ユーカリは上着を脱ぎ去り、手袋を外し近くのベッドに投げ捨てる。 「じゃあ、私は下をやるので、ヴァニラさんは上をお願いします」 「合点承知なのだ。…んーと、じゃあまずは…」 後ろから乳房を鷲掴みされ、思わず驚いて声を上げてしまう。 小振りな胸を慣れた手つきで揉み解していると、アニスはその愛撫に堪えるよう に硬く目を瞑り、 声を出さないように唇を噛むように真一文字に閉じる。 「我慢せずに好きなだけ声を上げればいいのだ」 「ひゃんっ」 かぷ、と耳を甘噛みされて、堪らず声を上げる。 その間にも、ヴァニラは胸への愛撫を止めることはなく、更に彼女の弱いところ を責め立て、絶えず快感を与え続ける。 ぷっくりと浮き出た乳頭を指で軽く触れると、彼女の体が震えるのと同時に控え めな乳房も揺れる。 乳頭を指の腹で少し擦るだけで、微かに声を漏らす。 小さな手の平で乳房を、指で段々と硬くなる乳頭を弄ぶ。 「すっかりお楽しみのようですが、私も混ぜさせてもらいますよ」 乱れる彼女の様子を一通り見ていたユーカリがようやく動き始める。 ヴァニラの愛撫ですっかり蕩けているアニスの秘部に指を這わせると、思い出し たようにアニスが抵抗し始める。 脚をじたばたさせて、ついでに近くにあるので顔も蹴りつけるが、あまり効果は 無い。 「あっ、さ、さわん、ないでっ…んぁっ…あ、やぁっ」 必死に抵抗しようとしても快感に負けて、体がちっとも言うことを聞かず、思う ように動けない。 力無く暴れて抵抗しても、すぐに捕まえられて動けなくなってしまった。 ヴァニラがすっかり硬くなった彼女の乳頭に齧り付くと、一際高い声を上げた。 ちぅちぅと吸い付き、舌で乳首を転がし刺激を与えると、甘い声を漏らす。 秘裂には指を挿入されて、抜き差しする度にぐちゅぐちゅと卑猥な音を立たせ、 愛液が滴り落ちシーツに染みを作る。 もう片方の手で陰核を摘み上げ、指で敏感なそこを扱いて、弾いて刺激を与える 。 秘裂の中へ挿入する指を増やして突き上げ、膣内の更に奥まで犯す。 「っふ、いやぁ…あ、あっ、んんっ…や、やぁっ」 胸と性器を愛撫されて甘い声を漏らし、泣きながらやめてと何度も言うが、二人 とも勿論手を止めるはずも無い。 そんな風にされてはむしろ、もっと苛めたくなってしまう。 より強い刺激が襲ってきて何も考えることが出来ない。 陰核を強く摘まれて、腰を跳ね上げ、秘部からは大量の愛液を飛び散らせた。 はあはあと肩で息をして、焦点の定まらない目でぼんやりと天井を見つめている 。 「おやおや…イッてしまいましたか?…へばらないでくださいよ、まだまだこれ からなんですから」 腕をぐいと引っ張って体を起き上がらせると、怒張した男根をアニスの口に捻じ 込んだ。 当然、彼女は逃げようとするが、後頭部を押さえつけて逃げられないようにして 、更に口内を犯す。 無理矢理に喉の奥まで犯され、まともに呼吸も出来ず息苦しいのに逃げたくとも 逃げられない。 口内を無茶苦茶に犯され、中で暴れ回り、好き放題にされて抵抗するの気力も失 ったのか、 次第にアニスは大人しくなり、されるままに身を任せている。 「…ほら、出しますから…ちゃんと飲むんですよ」 口の中に精液を吐き出され、喉の奥に直に流し込まれる。 男根がどくどくと脈打つ度に吐き出される精液をそのまま胃へ流し込もうとする が、 量が多く口内がいっぱいになり、耐え切れずに吐き出してしまい、 その際に顔にも髪にもかかり白濁の粘液で汚した。 特に口の周りから胸元にかけて涎と精液でどろどろにして、 涙を幾筋も流した目を赤く腫らして、荒く息をして呆然としている。 「っひぃ、いやぁっ…もう、やっ、やめて…」 最初の威勢はどこへ消えたのか、怯えた表情で男を見つめて涙を流しながら懇願 するが、 彼はなおも彼女の腕を掴んで、逃げることすら許さない。 「別に取って喰おうとしているわけじゃないんですから、そんなに怖がらないで 下さい」 彼はいけしゃあしゃあと言うが、アニスにとってはもう十分なくらい蹂躙し尽く されて、怖がるなと言う方が難しい。 アニスは目をぎゅっと瞑って、がたがた震えている。 「…ぅ、な…なんでも、するから…もう、やめて…」 顔をぐしゃぐしゃにして泣きながら許しを請う彼女の姿に、普段の気丈で凛とし た彼女の面影は無い。 「何でもしてくださるのなら、さっさと続きをいたしましょうか。 何も考えないで、快楽に身を任せればいいじゃないですか…ほら、今度はご自分 でやってください」 ついさっきまで自分の口の中に入っていた男根をずいと彼女の前に差し出す。 何をすればいいのかは解っている。 あとは彼女自身が理性を捨て去り、欲望に身を任せればいいだけである。 無言で彼女はゆるゆると性器に手を伸ばし、顔を近付ける。 先程の口淫で汚れた男根を舌で舐めて綺麗にする。 鈴口を舌先で突付いたり、ほじったりして刺激する。更に吸い付き、尿道に残っ た精液を啜り上げる。 「ん…ふっ、んぅっ…」 酔った様に目はとろんとして、夢中になって男根を咥え込んでむしゃぶりつく。 「アニスさん、ちょっと四つん這いになってください」 「んむぅ…ぁん、あ」 男根を含みながら口をもごもごさせて、緩慢に動いて四つん這いになる。 なったものの、ユーカリはベッドの上に座っていて男根が低い位置にあるので、 咥えるには顔を落とさねばならず、尻を突き上げる体勢になっている。 散々暇を持て余して、見ているだけだったヴァニラはすっかり濡れそぼった秘裂 ではなく、ひくついている肛門をぺろりと舐め上げた。 途端、アニスの体はびくんと震えて反応を示す。 「ふぁうっん、むぅ…ぅあ、お、おぉっ」 肛門を舌でなぞり、そこを舌でぴちゃぴちゃと濡れた音を立てて舐め上げる。 ひくつく肛門に指を挿し入れ、押し広げる。腸内に細い指を差し入れ、腸壁を引 っ掻いたり、擦ったりして刺激する。 新たな快感を享受し、だらしなく口の端から涎を垂らして喘ぎ声ばかりを上げて 、口の方が止まってしまった。 動かさなければと思いつつも、力が入らず膝ががくがくと震える。 「口の方がお留守ですよ。ちゃんとやることやらないと、いつまで経っても終わ りませんよ。 …まあ、その方があなたにとってはいいかもしれませんが」 腰を動かし口に咥えられたままの男根を喉の奥にぐいぐいと押し当てると、苦し そうに呻き声を上げた。 ようやく思い出したように男根を口に頬張り、口内で舌を動かし、舐め上げて奉 仕する。 腸内に舌を入れて、直腸内を丹念に舐め上げると堪らず甘い声を漏らすが、男根 を咥えたままでその声はくぐもっている。 唾液と腸液で肛門は濡れて、ひくひくと動いて穴を開いたり閉じたりを繰り返す 。 秘裂もじっとり濡れて、愛液を滴らせている。 「こっちは準備万端なのだ。どっちでも挿れれるのだ」 「んぐっ、あ、ふ…んんっ」 喉の奥にまで咥え込んで、亀頭が口蓋垂を擦る感覚が堪らなく気持ちいい。 太い男根をそこまで咥えるのは当然苦しいが、そんなこと快感に比べれば大した 問題ではない。 ユーカリも感じているようで、顔には見せないが少々息が荒くなっている。 「んぅ、あっ、うぇっ、んぐぅっ」 彼女の後頭部を押さえつけ、再び口内に射精する。 ごくごくと喉を鳴らして、吐き出された精液を胃の中へと流し込む。 射精を終えて男根を口から引き抜くと、アニスは物欲しそうな目で彼を見つめる 。 「そろそろ欲しくてたまらないんじゃないですか?…お尻をこっちに向けてくだ さい」 「ん、うん…」 言われた通りにそろそろと尻をユーカリの方へと向けて、四つん這いになる。 彼は指で濡れた箇所をなぞる。 「どっちに挿れて欲しいですか?」 男根を濡れた秘裂に擦り付けて、こっち?と聞きつつ、ひくつく肛門をなぞり、 それともこっち?と尋ねる。 「はぅっ、あ…おしりぃっ…おしりに…ぉ、おちんちん、ちょうだいっ」 予想外だった彼女の返事に内心驚きつつ、にぃと口の端を吊り上げ笑って返事を する。 彼女の形のよい尻を掴んで逃げられないようにして、狙いを定める。 「力抜いてください。…挿れますよ」 肛門を指で広げて、入り口に先を咥え込ませると後は一気に挿入すると、 アニスの口からは呻き声とも喘ぎ声ともつかぬ声が上がる。 初めての感覚に少しばかり戸惑ったが、すぐに痛みよりも快楽が勝り、抑えよう ともせずに嬌声を上げる。 「ふぁ、あっ、あぁ、ひゃあっ」 出たり入ったりと繰り返し、狭い腸内で男根をごりごりと擦り付けて押し広げる 度に甘い声を漏らしてよがり、腸内をきゅうきゅう締め付ける。 もともと狭いところを更に締め付け狭くするのだから、挿れている側としても気 持ちいい。 何度も打ち付けていると、膝が抜けて体勢が保てなくなってきたが、腰はがっち り掴まれ固定されているので挿入するのに支障は無い。 肘も曲げて上半身はベッドに倒れ込んでいるが、腰を突き上げて打ち付け揺さぶ られて、小振りな胸がふるふると振るえている。 「ひぃんっ、ひゃうっ、あっ、うぁ、あああ、あ、あぁっ」 頂点まで登りつめて、恍惚とした表情で激しく声を上げてよがる。 彼女が達したのを追うように、ユーカリも彼女の腸内に精液を吐き出す。 本日三度目の射精だが、射精量は先程と変わり無い。 男根を引き抜くと、逆流した精液が漏れ出て零れ落ちてくる。 ベッドにうつ伏せになって、荒い息で呼吸していたが、急に体ががくんと崩れて 、 支えが無いのでそのままベッドの上に沈み込んだ。 「あ…気ィ、失っちゃたのだ?」 「みたいですね。うーん…」 ユーカリは後始末をし、性器をズボンの中に戻して服装を整えながら唸る。 指を折って数えながら、何やら考え込んでいる。 「どうしたのだ?」 「正直なところ私、何回もやるのはしんどいんですよ。せいぜいやって二回です が、 それでもまだまだ、20000Gには足りないんです。…でも、金額分は支払ってもら わないと」 「…ユーカリちゃん、当初の目的忘れてるのだ」 「当初の目的って…何でしたっけ?」 そんなことを言っていると、後頭部を鈍器で殴られたような衝撃が、というか実 際に殴られた。 振り返ってみると、カルダモンが肩を杖でぽんぽんと軽く叩きながら立っていた 。 「何やってるんですか」 「何って…ええと、米屋ごっこ」 「そうですか。…そっちも、服を着て下さい」 「あたっ」 軽く杖で頭を殴られたヴァニラは痛そうに頭を抑えて、脱ぎ捨てていた服を拾っ てそれに着替え始める。 しかし、予想以上に反応が小さい。予定ではもっと大いに慌てて、流血沙汰にな って、怒号飛び交う修羅場になる予定だったのだが。 「で、貴方は何してたんですか」 「間男です」 「そうですよね。…マナバレット」 突然魔法を受けて、受け身を取ることも出来ずに体を壁に強く叩き付けられる。 頭を打ったようで、ぶつけた箇所を擦っている。 カルダモンは彼につかつかと近寄り、手に持ったボトルのキャップを開けて、頭 から琥珀色の液体をかける。 「うわ、何ですか!?ん、なんか…酒臭っ」 「ネバンプレスの酒場で買ってきた火酒です。あまり飲みませんが、こういう使 い方もありですね」 「はあ…」 最初は彼の言っている言葉の意味が理解出来なかったが、 ハッと何かを思い出したその瞬間、どっと汗が吹き出てくるのを感じた。 「ちょ…ちょっと待ってください。穏便に話し合いましょう!」 「いいから死んで下さい。…フレイム」 その日、夕暮れ時のカザンの町にとある男の断末魔が響き渡った。 ごうごうと燃え盛る炎を前にして、家の中では不味かったか、 と少しばかり自分の感情に身を任せた行動を後悔したが、その点以外は全く後悔 しなかった。 ばしゃん。 「んぎゃああぁっ!うひぃ、冷たっ…しかも、臭い!」 もう一個。ばしゃん。最後にもう一個。ばしゃん。 消火完了。少し焦げ臭いが、治療院に連れて行けばどうにかしてくれるだろう。 正直、してくれなくても全く構わないが。 ヴァニラがぐいぐいと真っ黒焦げになっているユーカリの口にヒュプノ結晶を押 し込むと、黒焦げのままだがどうにか意識を取り戻した。 「あー…死ぬかと思いましたよ」 「何で生きてるんですか?」 しぶといですね、とか言いながらかなり大きく舌打ちを鳴らす。 「ふぅ…余っていたろぉぱぁうどんが役に立ったのだ。 ちょっと腐ってたから臭うけど、そういうこと以外は大丈夫なのだ。多分」 傷んで少し色の変色したろぉぱぁうどんが床に散らばり、 床の上で触手がうにょうにょ踊っているのを放っておくわけにもいかないので、 掃除した。 でも、やっぱり臭い。 「じゃあ、後は任せたのだ」 「ごゆっくりどうぞ」 にたにた笑いながら家を出て行く二人。 前者はともかく、後者さっさと死ねばいいのに、と本気で思った。 「ん…ぅん…」 目を覚ます。気だるい感じがしないでもないが、いつも通りである。 ぼーっと天井を見つめながら色々と考え事をしていた。 さっきまで自分は何をしていたのだったろうか。 「気が付きましたか?」 聞き覚えのある声が聞こえる方へ顔を向けると、彼女が恋い焦がれる原因の男が 居る。 彼はベッドの横に持って来た椅子に座り、本を読む手を止めて、彼女を心配そう に見つめている。 先日似たような場面を見たような気がするが、その際は立場が反対だった。 彼の顔を見て、ふと思い出した。彼に言わなければならない事がある。 「あ、カルダモン…あ、あのね…わ、私ね…」 言おうとしてしきりに口を動かすのだが、なかなか言葉が出てこない。 それどころか、金色の瞳からはぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちるばかりである。 「あれ?…あれ、あれぇ…?」 「アニス、すぐに話してくれなくとも構いませんから」 「ううん、それじゃだめなのよ…今すぐに、あなたに全部話したいんだけど… 何から話したらいいかわからなくなっちゃって…」 ぽろぽろ涙を流して、困ったような顔で笑うアニスを見て、彼は居た堪れない気 持ちになる。 彼女が苦しんでいるのに、自分は救いの手も差し出せない。 ぎゅっと彼女の小さな手を握りしめると、彼女はその手を弱々しく握り返してき た。 かあっと顔を赤くなり、ふと顔を上げると、アニスも恥ずかしそうにカルダモン を見ている。 ぱち、と目が合い、顔を真っ赤にして逃げようとする彼女の手を強く掴んで、体 ごと引き寄せて抱き締めた。 彼女は驚いて何も言わなかったが、腕を回してそっと抱き返した。 「…キスしていいですか?」 こくんと小さく頷いた彼女の顎を指でちょいと持ち上げると、彼女は瞳を閉じた 。 そっと唇を重ねる。 数日振りに触れたアニスの唇は相変わらず柔らかい。 ちゅ、ちゅと音を立てて、啄むように何度も何度も口付ける。 ゆっくりと離して、見詰め合う。 「ぅうっ…ふっ、く、うわぁぁぁぁん、ひっく、うえええええん」 急に声を上げて泣き出したアニスに面食らってカルダモンは目を白黒させる。 子供もだが、泣く女性というのはどう扱えばいいのかさっぱり分からない。 キスが下手くそだったのだろうか。それとも口が臭かったのだろうか。 もしかして、腐りかけのうどんを頭から被った彼自体が臭かったのだろうか。 「ひっく、カルダモン…ごめんなさい…わ、私…あなた以外の人と…」 「もうそれ以上は話して下さらなくても結構ですから…」 話す側の彼女が辛いのは当然だが、聞く側の彼だって辛い。 自分の好いている女性が自分以外の男に抱かれた話なんか聞きたくもない。 その男には自ら手を下したが、未だに思い出すだけで腸が煮え繰り返りそうだ。 「私、その人に抱かれて、最初は嫌だったけど…だんだん気持ちよくなってきち ゃって…」 最後の方はぼそぼそ喋っていて聞き取れなかったが、あまり聞きたいような内容 ではないだろう。 彼女はごめんなさいごめんなさい、と涙を流しながら何度も呪文のように呟いて いる。 「もうそんなこと絶対にさせません。私が貴女を守ります。 不埒な輩に指一本触れさせませんから…安心して下さい」 「でも、私…こんなのだけどいいの?許してくれるの?」 返事をする代わりに触れるだけのキスをする。アニスの目からはらはらと涙が止 め処無く零れ落ちる。 それを舐めとり、瞼に口付けを落とす。 「アニスは泣き虫ですね…そういうところも可愛いですけど」 「だって…もう、ばか…ばか、ばか……すき」 不意打ち気味に触れるだけのキスをしたら、なんだか恥ずかしくなってきて、赤 くなった顔を隠そうとして彼に抱き着いた。 そのままくんくんと彼の匂いを嗅ぐ。 「くさっ…」 思ったことをそのまま口に出した。 以前嗅いだ彼の匂いはこうではなかったはずだ。確かめるように何度嗅いでもや っぱり臭い。 「ねえカルダモン、あんた臭い。なんか生臭い。…なんで?」 「あー…うどん被ったんです。多分、それかと…」 「うどん?…まあ、とりあえず、お風呂入ったら?」 「アニスも、汗かいてべたついてると思いますし…お先にどうぞ」 互いに譲り合うばかりでどちらも入ろうとしない。勿論風呂には入りたいのだが 、 相手より先に入るのが少しばかり気が引ける。 お互い黙りこくり、長い沈黙を破って言うことには。 「もう、いっその事…一緒に入る?」 アニスはほんのり肌を上気させ、甘えるような声で魅惑的な提案をしてくれる。 「え…でも、その…あーっと、いや、だって私、男ですよ」 「そんなの見りゃわかるわよ。…それとも、私とはお風呂一緒に入りたくない? 」 上目遣いで猫の様に身を擦り寄せて甘えてくる。しかし、誘惑に負けてはいけな い。 一緒に入ってナニをするのなんて一言も言っていないが、しないとも言っていな い。 と、ここでカルダモンの頭の中で謎の声が響く。 システム「一緒にお風呂に入りますか?」 はい ニア いいえ 心のAボタンを押す。 システム「こんな機会を捨てるなんてとんでもない!」 はい ニア いいえ もう一回、心のAボタンを押す。 システム「こんな機会を捨てるなんてとんでもない!」 何度やっても同じ事しか言わない。 ともかく、回避不可能のイベントのようなので、渋々了承することに。 こんな風に仕方が無いから一緒に入る、みたいに言っているが、願ってもない事 である。 たまにはベッド以外でもナニ出来る機会があるなら是非ともやりたい。 この前は少し触れただけで終えてしまったので、もやもやしていたところだ。 だがしかし、風呂場では眼鏡をかけないので、乱れる彼女をはっきり見ることが 出来ないのが勿体ない。 「じゃあ、先に行ってて」 「は、はい…」 上擦った声で返事をして、逃げるように脱衣所へと向かった。 こんな風に期待してどきどきしているが、実際どうなるかは分からない。 (さっさと入ろう…) シャツを脱ぎ、ブーツを脱いで、ベルトを外してズボンを下ろすと、 今から既に期待してかムスコが少し起き上がっていた。 宥めすかし、落ち着かせてから下着を脱いで腰にタオルを巻いた。 眼鏡を外すと一気に視界がぼやける。 滑ってこけないように足元に気をつけながら、風呂場に入った。 椅子に腰掛けて、桶に湯をすくって体にかける。頭から湯をかけると黒髪はぺた りと張り付く。 それにしても、先程からどうも落ち着かず、そわそわしてしまう。 心臓の鼓動が早い。年甲斐も無く、どきどきしている。 女性と一緒に入浴するなんて、子供の頃以来だ。それも母親とであるし、異性の うちには入らない。 悶々と思い巡らしながら、石鹸をタオルに擦りつけて泡立てる。 「入るわよ」 「はっ、はいぃっ」 戸の向こうから聞こえた彼女の声に緊張して大声で返事をしてしまったが、しな いよりはましだろう。 幸い彼は浴室の出入口に背を向けているので、顔が真っ赤になっているのはすぐ にはばれないだろう。多分。 ぺたぺたと濡れたタイルを歩く音がするのを聞きながら、平常通りに振る舞う。 「もう体洗った?」 「いえ、まだ…」 「髪は?」 「それもまだです」 「じゃあ、髪洗ったげる。私、結構上手いのよ」 そう話すアニスの声が浴室によく響く。かけ湯をしているようでざばざば、ちゃ ぷちゃぷと水の音がする。 「お湯かけるわね」 頭から湯をかけて体と髪を湿らせる。肩にアニスの手がそっとを触れるのを感じ て、更に体が熱くなる。 アニスは彼の髪に手を伸ばして、くるくる弄って遊ぶ。 「髪洗ってる間に、体洗っててね」 ふっと彼女の香りが漂ってくる。 言われた通りにタオルを体に擦りつけて、体を洗う。 丁寧に髪を洗う彼女の手つきが心地よい。髪だけでなく耳の裏や首筋も丹念に洗 う。 髪を洗ってもらうときは力を抜いているので、頭が少しばかり揺さぶられる。 「かゆいところ、無い?」 「…あ、無いです」 湯をかけてシャンプーを流し、髪を軽く絞って水分を切る。それからリンスを髪 に馴染ませ、また洗い流す。 「はい、終わったわよ」 「有難う御座います…」 髪に触れてみると普段よりも指通りが滑らかな気がする。 洗髪の仕方一つでこうも変わるものなのだろうか。 「体洗い終わった?」 「え、あ…まだです」 髪を洗ってもらっていた間はそっちばかり気にして、すっかり忘れていた。 「じゃあ、そっちも洗ったげる」 そう言うと返事も聞かずにアニスはタオルをひょいと取り上げて、石鹸を塗り付 け再び泡立て始める。 体に巻いているバスタオルを取り去り、タオルをごしごし擦り付け、体に泡をつ ける。 彼の背中を洗い、身を寄せると微かに体が触れ合う。 腕を伸ばさせて、洗うと胸が背中に押し付けられるように当たる。 体を動かす度に小刻みに揺れ、乳頭を擦りつける。 「ぅ…アニス、その…胸が…」 当たってるんですけど、と続けたいがそれを言って止められるのは嫌なので、な かなか続きを言えない。 「ん…ぁふ、あ…きもちいい?」 体を擦り付けて、彼女自身も感じているのか、時折甘い声を漏らす。 体をぴったり寄せて、腕を回して前を洗う。 やりやすい、やりにくいで判断すれば当然洗いにくいだろうが大事な点はそこで はない。 控え目な乳房を擦り付けていると、敏感な乳頭はすっかり硬くなって、 そこを擦り付けるのが堪らなく気持ちいい。 秘部から愛液を垂らし、しっとり濡らしている。 アニスの漏らす甘い吐息をBGMに背中に来る刺激と回された腕の動きで、 元から起ちかけだった男根は言い訳出来ないくらい起き上がって、腰に巻いてい るタオルを持ち上げていた。 「う、ぁん…あ、ここもキレイにしないと…」 「あ、アニス、そこは…っ」 ぱっとタオルを剥ぎ取られて出てくるものは、一つしかない。彼女の指が触れる とびくっと体が震えた。 「あ…硬くなってる…っん、気持ちいいの?」 「は、はい…」 乳房を擦り付けられ、性器を持たれて、体温が高くなる。興奮して更に硬くなる 。 「ヌいてあげる」 彼女はそう言って身を離したかと思うと、彼の手前に回り込んだ。 ぼやけているが、生まれたままの姿の彼女が目の前に居るのが分かる。 屈み込んで、熱く脈打つ男根に手を触れ、指を亀頭に擦り付ける。 手で男根をしゅにしゅにと扱き上げると、鈴口からは先走り汁が漏れ出る。 カルダモンがはあはあと荒い息で呼吸する様子を見て、アニスは気を良くする。 「っあ、ん…ふぁ…あ、あぁ」 身を寄せて、自分の乳頭を亀頭で擦り、堪らなくなって、声を漏らしてしまう。 男性器を握る手とは反対の手で、自身の陰核を捏ねくり回す。 「ひぅっ、んん…ふ、ぁ…」 「っく…あぁ…」 扱く手を早く動かすと、彼は切な気に声を漏らす。目を閉じ、顔を赤くして、苦 しそうに息をする。 「っう、あぅ…も、もう…」 アニスの手の中に白濁色の精液を撒き散らす。どくどく脈打つ男根から精液を飛 び散らし、 手から零れ落ちた粘液は彼女の身に付着する。肩で息をして、ぼんやりと彼女を 見る。 「はぁ…いっぱい出したわね…ちょっと溜まってた?」 ほらほら、と自分の手の平に吐き出された白濁色の粘液を見せているのだが、 残念ながら眼鏡が無い為視界がぼやけているので、当の彼にはさっぱり見えない 。 別にそんなもの見たくも無いが。 「確かに、最近ご無沙汰だったので…それに、アニスの機嫌が悪そうでしたし… ん、何を?」 「手についたのを…舐め取ってるの…んむ」 舌で自分の手の平を舐め上げ、精液を舐め取り、ごくんと喉を鳴らして飲み込む 。 ああもう、くそう、どうして今眼鏡かけてないんだよ!と叫びたくなったが仕様 が無い。 してもらってばかりでは彼女に悪いので、自分も何かしなければと考え、一つ思 いついた。 「アニス、次は私がします。…まず、何処がどの箇所か確認したいのでこっちに 来て下さい」 ちょいちょいと手招きすると、彼女は言われた通りに更に身を寄せてきた。 彼女の体をひょいと抱き上げて跨がらせる。 先程達したばかりだが、早くも性器は再び硬くなり始めている。 ちゅ、と音を立てて各箇所に口付ける。 「ここが目…鼻、で、…口ですね。で、ここが…胸と、ここが乳首」 「ひゃうんっ」 片方を口に含み、もう片方をぎゅっと摘み上げると、アニスはびくんと体を震わ せ声を上げる。 「ふふ…アニスはここ苛められるのが大好きなんですよね」 「そ、そんなこと…んひぃっ、あ、そこぉ、だめぇっ」 口に含んでいる方を歯で甘噛みすると、先程以上に声を上げて乱れる。 舌で乳頭を転がし、手の平で乳房を揉みほぐし、指で乳頭をこりこり擦り上げる と、 アニスは絶えず甘い声を漏らすが、恥ずかしがっているのか声を出すのを我慢し ている。 「アニス、我慢しないで下さい。もっと貴女の声を聞かせて下さい」 「ふぁ…あ、だってぇ…んむぅ、ひゃうぅっ」 舌を絡ませ、両方の手の平で柔らかな乳房を揉み上げながら、 乳頭を潰すように摘むと大きく体を反り返らせてよがる。 「私はよく見えないんですから、声を聞いて楽しみたいんです。 貴女の可愛い声をもっと聞きたいんです。…ね?」 「ふぁうっ…あっ、あ、あぁ」 乳房を口に含んで吸い付き、舌を使って舐め回す。 「ひゃっ…はぁ、そこばっかりじゃ、やぁっ…ここも…ぅん、してぇ…」 震えながら手を掴んで、ゆるゆると濡れそぼっている秘部へと導く。 指の腹ですりすりなぞると声を漏らす。 「とろとろになってますよ…ここも、洗わないといけませんね」 そう言いながら秘部に手の平をすりすり擦り付ける。 表面にしか触れず、もっと快感を得たいのに、焦らされてばかりでは我慢出来な い。 そんな彼女の視線に気付いたのか彼は意地悪く笑う。 「ひゃうんっ…ん、あ、あぅ…」 一気に指を挿入されても、しっとり濡れて受け入れる準備が十分出来ているので 、痛みも無くすんなりと受け入れた。 激しく抜き差しすると、その度にぴゅっぴゅっと潮を吹く。 「んん…はぁ、や、ぅん…あ、ぁ、だめぇ、もぅ…んっ」 「我慢しないで、イっていいんですよ」 顔を赤くし目に涙を溜めて、我慢するアニスの耳元で囁いて、 陰核を指で潰すと、嬌声を上げ体を大きく震わせた。 「あ…いやぁ、だめ…見ちゃ、だめ…」 我慢し切れずに失禁してしまい、漏れ出た尿が足を伝って排水溝へと流れる。 いくら眼鏡が無いからちゃんと見えていなくても、跨がっている上で失禁されれ ば嫌でも分かる。 風呂場なので別に嫌でもないが。 恥ずかしくて手で顔を覆い隠し、ぐすぐす泣く。 そんな彼女の手を退けて涙を舐め取り、瞼に口付けを落とす。 肩を軽く叩いて宥めるが、くすんくすんと鼻を鳴らす。 「おしっこ我慢できないくらい、気持ち良かったんですか?…とりあえず、体洗 いますね」 石鹸をタオルに擦り付けて泡立て、優しく体を洗う。腕、足、背中と洗っていき 、そっと胸に触れると微かに声を漏らした。 先程のように乱暴にはせずに、優しく揉み解しながら洗い上げる。 更に手を下ろして、股は手の平に泡をつけて、擦り付けて洗う。 それだけでも敏感になっている彼女の体には十分なくらいで、秘裂から愛液が漏 れ出る。 湯をかけて、石鹸の泡を洗い流し、後ろからアニスの小さな体をぎゅっと抱き締 めた。 「お湯に浸かります?」 「その前に…しよ」 さっきから背中にずっと熱いものが押し当てられているのが、気になって仕方が 無くどきどきしっぱなしだった。 早くそれが欲しい。 アニスを再び跨がらせて、向き合ってキスをする。 舌で歯をなぞり、互いに舌を絡ませる。 口の端から唾液が零れるのも構わず、夢中になって貪るようにキスをする。 「アニス…挿れてくれませんか?」 「へ?…そ、そんなの…それくらいわかるでしょ?」 「よく見えないので分かりません。 …間違って変な所に挿れられたら、アニスも困りますよね?」 「う…ああもう、わかったわよ。してあげるわよ…でも、今回だけだからね?」 「はい。お願いします」 確かに視界はぼやけてはいるが、分からないことはない。 ただ単に彼女からやって欲しいだけである。 腰を浮かして指で秘裂を広げ、もう片方の手で熱く硬い男性器を掴む。 「あっ、うぅん…はぅ…ふ…」 だが、彼女は秘裂に男根の先を擦り付けるばかりで、なかなか中へ挿れない。 「…あの、アニス?」 早く挿れて欲しいのに、何時まで経っても挿れてくれない。 もしかして焦らしているのだろうか、と考えたが何やら違うような気もする。 「だってぇ…滑って、はいらないんだもん…ぁん」 「別に、無理にしてくれとは言いませんよ?」 「んーん、ちゃんとするからぁ…待ってて…ん」 そう言いながらも、何度も擦り付けている。このままでは挿入する前に達してし まいそうだ。 「ふぁうっ…あ、はいったぁ…ぅ、きゃんっ」 ようやく先を挿れることが出来たと、安堵しているところに勢いよく腰を打ち付 けられ、 一気に奥まで突かれて、それだけで達してしまいびくびく体を震わせる。 「あ…うぅ、き、急に、しないで…はぁんっ、あ、やんっ」 「すいません。我慢出来なくて、つい」 「も、ばかぁ…ひゃうっ、ひっ、あ…はぅん」 アニスの体を抱きしめ、何度も何度も腰を動かすと、動きに合わせて嬌声を上げ る。 抑えようともせず、喉を嗄らすほど声を上げ、膣を締め上げる。 彼の体に腕を回し、抱き締めて擦り寄る。 目の前で小さく揺れる乳房に噛り付くと、声を上げる。 「うぅん…あ、ひゃ…ふぁ、ひんっ、はっ」 乳頭を舌で弄くりながら、腰を激しく動かし打ち付けると、体を大きく反らして よがり、狭い膣を更に締め付ける。 「ふぁうっ、あっ、あっ、あぁぁっ」 男根を引き抜いて、そのまま精液をびちゃびちゃと吐き出し、彼女のほんのり赤 く染まった肌を汚した。 アニスははあはあと荒い息で呼吸しながらカルダモンの体にもたれ掛かった。 かけ湯で汚れたところを洗い流して、湯船に浸かる。 アニスが髪を丁寧に洗っているのを、湯船に浸かりながらぼーっと眺めていた。 「はぁ…なんか、今日は疲れたわ…」 カルダモンの体にもたれ掛かりながら湯船に浸かり、ぐーっと手前に腕を伸ばし て伸びをする。 長い髪を結い上げ、湯船に浸からないようにしている。 「あの、最近様子が変だった理由をそろそろ聞きたいんですけど…」 「んー…まあその、ね…簡単に言えば…ヤキモチ焼いてただけよ」 アニスは小声で恥ずかしそうに言うが、いまいち彼は合点が行かないようではあ 、とか、如何して、とか言っている。 「だ、だって…色んな人に優しいから…マレアイアで女の子にプレゼントあげた り、ニギリオの宿でアリエッタを庇ったり…」 「…しない方がよかったんですか?」 「そういうわけじゃないけど…私には、そんなこと全然してくれないのに…。 こんなにヤキモチ焼いて…なんか、私ばっかりあなたのこと好きみたいじゃない …」 言ってから更に恥ずかしくなって、ばしゃばしゃ音を立てて顔を洗う。 が、ぎゅうっと抱き締められてぴたりと手を止める。 「ご心配をかけてしまったみたいですいません…でも、悪い気はしませんね」 「なんでよ」 「アニスがそんなに私の事を好いてくれているのが、はっきり判りましたからね 。 …ですが、貴女も見落としている事があるみたいですね」 「…な、なに?」 どきどきしている彼女の耳元でそっと囁く。 「私が大層嫉妬深い男だということです」 カルダモンはそれだけ言うと立ち上がり、濡れた体を拭いて風呂場から出て行っ た。 それだけ言われても困ると、アニスも彼の後を追って風呂を上がった。 脱衣所で雑談しながら楽な格好に着替え、リビングに入る。 「あー、喉痛い…明日歌えなかったら、あんたの所為よ」 「はいはい…何か飲みますか?」 「お茶入れて。美味しいやつよ」 「あたしもちょうだーい」 「わかりました。じゃあ、三人分と…」 声が一人分多い、振り返って見てみると、先程の声の主であるパプリカが椅子に 座っていた。 桃色の髪と同じ色のルシェ族女性特有の獣耳がぴこぴこ揺れている。 「アニスとカルダモン、一緒にお風呂は入ってたの?二人とも仲良いよねー」 「え、ええ…ほら、カルダモンって目が悪いじゃない。…だから、危なくないよ うに手伝ってあげたのよ」 「そっかー、アニスって優しいんだね」 アニスの苦しい言い訳を聞いて、朗らかに微笑みながら、パプリカは言う。 恐らくこの様子では二人が風呂場で何をしていたのかまでは解っていないのだろ う。 だが、この事を他の人にまで言いふらされては困る。 「あー…パプリカ、お腹空いていませんか?」 「空いてる!あたし、晩ご飯まだなんだー」 「じゃあ、晩ご飯奢ってあげますから、この事は誰にも言わないで下さいね」 「うん!えーっと、じゃあ…エビフライ定食!」 翌日「昨晩はお楽しみでしたね」と言われたのはまた別のお話。 ×月▽日 一時はどうなることかと思ったけど、作戦成功してよかったのだ。 成功報酬が支払われていないとユーカリちゃんが嘆いていたけど、自業自得なの だ。 そんなことはともかく、お風呂でするとき用にアニスちゃんに色々教えておいて 、正解だったのだ。 だけど何よりも、アニスちゃんが切れ痔にならないかが心配なのだ。 ~ヴァニラの日記より おしまい
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/85.html
##ネタバレ(ほとんどオーラスまで)注意!## 指標を簡単に。 すごく:非エロ やや:欝 実に自己満なお話を読んでくださった方、どうもありがとうございました。 とりあえず満喫したので次からは普通のエロ書きます。 最後に、斑鳩の便利リンクなどを。 動画 ttp //www.nicovideo.jp/watch/sm5816012 Final chapter [輪廻 Metempsychosis] ■2月14日18 34 H国海防軍正規空母“鶉”艦長室 「――艦長、彼らの提案を、どうされるおつもりなのですか」 「どうもせんよ。我々はただの軍人に過ぎん。この国では、軍人の指揮を執る のは国法が定めた文民だ。あやつらに指揮権はない」 「は、はあ。仰るとおりですが」 「それに、そもそも我々では竜には勝てん」 「しかし」 「もちろん、非常事態となれば民間人の救出に最大の努力を払わねばならん。 それだけは心しておいてくれ、副艦長」 「イエス・サー。ですが、その、お言葉ですが」 「なぜ儂が勝てないと言うのか、わからんか」 「……はい。本艦には最新鋭の軍事衛星、“不動明王”のコントロール権があ ります。巡航ミサイルも十分なストックを持っていますし、護衛となる飛行隊 は高い錬度にあります。むしろ我々が先制攻撃に参与しないことによって、民 間人への最終的な被害は拡大するものと推測されます」 「最終的、と言うかね。最終的には人間はみな死ぬ」 「それは極論です」 「いいかね、副艦長。覚えておきたまえ。人間が犯す最大の過ちは、いつだっ て『緊急時における特別な措置』から始まるのだ。それは、臨機応変とは異な る。臨機応変というのは、十全な準備があった上で、準備の範囲内で対応を変 えることを言う。準備の範囲を超えるのであれば、それは負け惜しみの無駄な 足掻きと言うのだ」 「……は、心します」 「すまんな、年寄りはすぐに説教臭くなる。それよりどうかね、将棋でも一局、 打っていかんか」 「申し訳ございません、まだ軍務中ですので」 「仕方ないな。またコンピューター相手とするか」 「失礼いたします」 副艦長が敬礼して出て行くのを、艦長は退屈げに見送る。だが艦長室の扉が 閉められたあとも、艦長の視線は扉を見つめたままだった。彼はしばらくそう していたが、やがて手元のコーヒーカップに手を伸ばす。 「まったく。臨機応変についてのお説教をしたばかりだというのに、臨機応変 な対応ができんとは」 ■2月16日04 43 防衛戦線中央司令室 「その後、α6からの通信は?」 「約51時間前にアクセスを試みた形跡がありますが、それが最後です」 乱雑に散らばった書類が層を成しているテーブルを前に、エメルは厳しい表 情で立っていた。 「α6の現在位置は」 「追跡不可能」 「なんだと?」 「約60時間前から、彼ら自身に搭載された通信機からのパルスが、まったく感 知できません。こちらのセンサーにも反応なし」 「なぜ報告しない!」 「問題発生時に報告されています」 「――そうか、すまない。彼らが任務遂行不能状態になっている可能性は?」 「計算不能。データが少なすぎます」 「分かった。H国の動きは」 「探知不能」 「――後手を踏みすぎているな、我々は。連絡途絶時のデータと、51時間前の アクセス記録を見せてくれ」 エメルの手元にあるディスプレイにデータが並んでいく。とても人間の眼で は追えない速度だが、彼女はそのすべてを理解しているようだった。 「第6軍を緊急動員しろ。どれくらいかかる」 「18時間以内に75%が動員可能です」 「十分だ。第6軍に命令、ヘイズおよびH国の竜を攻撃する」 「ですが――」 「評議会の意向など知ったことか。今動かなくては間に合わん。タケハヤは回 復したか?」 「アイテルからの報告では、まだ不十分だと」 「タケハヤに第6軍の指揮を任せる。4時間以内に出頭させろ。それから、基地 の全員に通達だ。第6軍の上陸から24時間以内に、本部をH国首都に移転する。 引越しの準備を始めろ」 「アイ・サー」 無表情なオペレーターたちが、命令を伝達していく。エメルは重いため息を ついた。30分とたたないうちに、ヒステリーを起こしたアイテルを引きずって タケハヤがここに来るだろう。鎮静剤を用意させるか? いや、無駄だ。まっ たく、なぜこんなことまで考えねばならん。 エメルは歯を食いしばると、拳を固めた。 「敵は、竜だ。我々は断固として彼らを殲滅する」 ■2月17日12 23 H国山岳地帯 4人の男女が、崖の上にいた。全員匍匐体勢で、カモフラージュネットを被 っている。 「シュヴァルツ、あれがヘイズさんのお宅の入り口だ。分析しろ」 「分析中です――熱探知の結果から、地下5階前後まで掘り下げてあると推定 されます」 「思ったより浅いな」 「各フロアの床厚は相当のものです。ちょっとした核シェルターですよ」 「そこはまあ、想定済みだ。念のため聞くが、例のアレが貫通しない確率はど れくらいある?」 「ほぼ皆無です、隊長。ヘイズ本人が妨害しない限り、この程度の防壁では話 になりません」 シンラはやや落ち窪んだ印象のある目を細め、口をへの字に結んだ。 「使わずに済ませたいもんだな」 「シンラ。迷いがあるなら、ここで引くのも勇気よ」 「それはできない。俺たちはこの国のタカ派の連中に、突入すると宣言してる。 その約束を違えれば、防衛戦線とこの国の関係はさらに悪化するだろう。俺た ちの突入を契機として防衛戦線が上陸作戦を展開し始めた段階での、再離反ま であり得る。やるならそのタイミングしかあり得ないからな」 「そうね。彼らは――やりかねない。でも、本当にいいのね?」 「お前らこそどうだ。状況が状況だ。一人でも拒否するなら、俺は作戦を撤回 する」 「ここまできてそれはありえないですよ。やりましょう、隊長」 「シンラの見解に賛成します。それに、タカ派のクーデターは規定の路線です。 その前にヘイズに一定以上の打撃を与えておかないと、タカ派の要請で到着す るであろう防衛戦線の主力が、上陸中に襲撃される危険性が高まります」 カガリは、沈黙していた。目を閉じたその姿は、まるで眠っているかのよう だ。 「……あたしは、あなたが行くところに行く。作戦を撤回したら、あなたは一 人で突入するつもりなんでしょう? あたし、その手の後悔をするのは絶対に イヤ」 「分かった。すまん、迷ってたのは俺だけだったみたいだな」 「いつものことじゃない。指揮官なんて迷うのが仕事みたいなものなんだから、 いまさら謝らなくていいわよ」 「りょーかい。移動するぞ。今のうちに食っとけ。18 00に作戦を開始する。1 4 00の段階でトラップを確認しておけよ」 「アイ・サー」 「で、シュヴァルツ」 「なんでしょう?」 「そこの山小屋の自販で缶コーヒーを買ってきてくれ。人数分な。俺とカガリ は無糖のブラックで暖かいやつ。釣りはお駄賃にくれてやるよ」 「サー・イエス・サー。ふふ、なんだか遠足みたいですね」 ■2月17日13 16 H国某所 正しいか間違っているかで問われれば、儂はおそらく間違いを犯した。 この国は、まもなくその長い歴史に終止符を打つ。その場に居合わせること になった我が身の不幸は嘆くに値するとはいえ、それでいて自分がただならぬ 興奮を覚えていることもまた告白しなくてはなるまい。 世界は変容している。我々が用いてきた旧式の理論は、細密化によってその 再現力を高めているように見せかけつつも、実際には偽りしか描けていない。 偽の水晶球に移るのは、何をどうしたってまがい物だ。 時代はうつろい、世界は変わった。もはや、1/2と1/2を足し合わせる計算で すら、かつてのような結論では間に合わぬように感じる。 老人の妄言と思うか? 1/2と1/2を足したら1、そんなことは小学生だって 知っている、そう思うか? そう思うのであるならば、それは我々がまさに今、 限界に向き合っているということの証左だ。我々は、1/2と1/2を足した本当 の答えを、探さねばならない。人と人ならざるものを足しあわせて生まれた彼 らが、単純にそれの合計や、あるいはその合計以上以下であるといったところ とは違う世界に飛び立とうとしているように。 ■2月17日17 00ごろ H国首都 「まもなく小学生が下校する時刻となります。できるかぎり子どもたちに目を 配り、安全に帰宅できるよう、皆様のご協力をお願いいたします」 ■2月17日17 58 H国海防軍正規空母“鶉”メインブリッジ 「副艦長、ちょっとよろしいでしょうか?」 「何だ」 副艦長は何気なく返事をしたものの、電子戦オペレーターの困惑した表情を 見て眉をひそめた。 「どうも……何か妙な感じがするのです」 「感じ、ではわからん。正確に報告したまえ」 「は、はい。失礼しました。4日ほど前から、アメニティ関係のネットワーク が重くなっておりまして」 「ウィルスのチェックは」 「もちろん行いました。おそらくは物理的な機材の損傷があると思われるので すが、なにしろアメニティ部門ですので」 副艦長の表情が曇る。アメニティ・ネットワークは、艦のあらゆる部分に繋 がっていて、部分的には戦闘コンピューターとのリンクも行われている。今す ぐ致命的な何かが起きることもないだろうが、根が深い問題になっている危険 性はある。 「何か悪影響が出ているのか?」 「いいえ。いまのところ、若干のネットワーク遅延が発生しているだけです」 「空調関係は」 「異常ありません。緊急気密処理や、対放射能汚染対策装置にも干渉は確認で きません」 「問題ない、ように思えるな」 「はい。しかし」 「気持ちが悪い」 「そうです。平均すると遅延は200μs程度ではあるのですが」 「……分かった。艦長に報告して、この週末のシステム再起動時に徹底してネ ットワークの調査を行うことにしよう」 「なんだか余計な予算を使ってしまうようで、申し訳ございません」 「貴官が謝罪することではない。むしろ不具合を発見したことを誇るべきだ。 だが、次は4日前に報告するように。200μsが20μsであっても、だ」 「イエス・サー」 耳をつんざく戦闘警報が鳴り始めたのは、まさにそのときだった。 「どうした! 何が起こった!」 副艦長が叫ぶ。 「不明!」 「不明とは何だ! そんな馬鹿なことがあるか!」 「ほ、本艦は、攻撃を受けています! 艦橋の防御シャッター起動しました」 艦橋のガラス窓が、一斉に真っ黒なシャッターで覆われる。 「ミ、ミサイル! ミサイル接近、フレア間に合いません! 着弾!」 ミサイル接近の声に全員が対衝撃姿勢をとるが、船はいたって静かなままだ。 「何が起こっている! ミサイルはどうなった! 不発か?!」 「わ、わ、わかりません」 「ミサイル着弾の衝撃を検出できず。外部装甲に損傷ありません!」 「第一級戦闘態勢を宣言する。事態の把握を急げ」 「イエス・サー!」 「無駄だよ、副艦長」 「無駄とは何だ、無駄とは!……し、失礼しました、艦長。冷静さを、欠きま した」 いつの間にか、艦長が艦橋に置いてあったパイプ椅子に座っていた。オペレ ーターは必死に制御卓をチェックするが、あらゆる情報が矛盾を訴えている。 混乱は広がるばかりだ。艦長だけが、一人泰然としていた。 「副艦長。いつからかな、軍人が――いや、危機に瀕した人間が、真っ先にや ることが、電子機器のスイッチを入れることになったのは」 「艦長、申し訳ございませんが今は」 「副艦長。無駄な努力を今すぐ止めて、儂の話を聞きたまえ。そして私の質問 に答えてくれないか。 なぜ君の部下は、いつまでもその無用の長物と向き合っているのだね。彼ら には二本の足がついていないのか? ミサイルが着弾しただと? 君は着弾し たという事実を、着弾衝撃だの損害自動報告だのを見て信じるのかね? 着弾 したのは、この船だ。君の身体は、着弾を感じたのか? 君はなぜ、目に見え るものを信じずに、目に見えないものを信じようとする」 「は、はっ……それは」 「なぜ君は、君の命令を正確に伝えているという保障もないその無線機に向か って、声をからしているのかね。冷静に観察したまえ。我々は、もう負けてい るのだ。この船は電子的に制圧された。違うかね? だのになぜ君は、この船 の電子機材を使って命令を出そうとしてる」 「そ、それは……その、いえ、私の失態です」 「君の、ではないよ。儂のミスだ。この船には伝声管を取り付けないと聞いた とき、もっと真剣に抵抗しなくてはならなかった。手旗信号用の旗を積まない と聞いたとき、乗員が手旗信号を知らないと聞いたとき、儂が自分の金で手旗 を仕入れて、部下を教育すべきだった。晴れた日にでも、甲板の上で、皆で旗 を振るのだよ。楽しいぞ。だが、遅い。我々は、目も、耳も、口も失ってしま った」 「艦長――」 オペレーターたちは次々に報告を叫び、互いの報告を否定しあっている。艦 橋はまるで機能していなかった。 のそり、と艦長が立ち上がる。 「儂らが未だ生きておるということ、船の指揮権すべてを奪われているわけで はないこと、周囲に竜の気配がないこと。これらを鑑みるに、この船を乗っ取 った輩には、この国の誰とも共通しない目的があるのだろうな」 「それはつまり、まさか防衛戦線が」 「それ以外にあり得ん。しかるに彼らの軍隊の姿も見えぬことを考えれば、お そらくはあの政治屋どもが言っていた、『防衛戦線の使者』とやらが仕組んだ のではないか」 「そんなことが可能なのですか? 彼らはたった4人であるという情報が」 「飛行機をハイジャックしてビルに突っ込むには、テロリストが4人いれば十 分だった。まあ、いい。犯人探しをしたところで詮無いことだ。今は、我らに できることをしなくてはならん」 「は、はい。しかし」 「どれどれ、そこの女の子、ちょっとそのテーブルの上に登らせてもらうから、 場所をあけてくれんかね。それから、この無意味な防御シャッターを開けてく れ。今すぐにだ」 「その席を外せ。艦橋の防御シャッターを開けろ。偏光設定も解除だ、急げ!」 オペレーターたちが機材と5分ほど格闘して、ようやく艦橋のシャッターが 開いた。混乱は、飛行甲板にも広がっている。あちこちでパイロットと整備員 が口論し、なかには殴り合いの喧嘩をしている者もいた。 艦長はオペ卓の上に立つと、甲板の上を眼で追う。と、誰かの姿を見つけた ようで、手を振った。そして一呼吸置くと愛用の双眼鏡を目に、なにやら複雑 な身振り手振りをする。 「……艦長は、その、何をやっておられるのでしょう……?」 席を失ったオペレーターが不安そうに副艦長に囁く。 「おそらく、甲板にいる誰かと手話で通信しているのだ。原始的だが――クソ、 艦長が何を伝えていらっしゃるのか、私にはわからん。なんということだ」 「わ、わたしも、ハンドサインを覚えたほうがよかったのでしょうか」 「貴官が、ではない。我々全員が、だ。なんと――なんという、ことだ。艦長 の仰られた通りだった。我々は、戦争などできる状態ではなかった」 しばらくして、艦長は机から降り、盛大にため息をつく。 「話はつけた。飛行甲板は儂の代理が仕切る。艦載機を対竜装備に換装、順次 発艦させる」 「か、艦長、お言葉ですが、それは」 「できる。飛行甲板のエレベーターはシステムが独立しておる。弾薬庫周辺の 機材は完全に独立させるべし、と儂が強硬に主張したからな」 「申し訳ございません、存じませんでした――」 「暇ができたら、一歩でも多く艦内を歩いておくことだ。散歩がてらにな。健 康にもいい」 「赤恥ついでに伺いたいのですが、飛行甲板で艦長の代理を務めてられている のは、どなたでしょうか」 「おお、そうだったな。勝手に人事を差配してしまってすまんの。甲板を仕切 っているのは、ナナミ二等海兵だ」 「ナナミ――二等海兵?」 「おうよ。名前に聞き覚えくらいあるだろう」 「――いえ、二等海兵となりますと……しかし、ナナミ――ま、まさか、その、 本艦の設計者の、ナナミ博士ですか!?」 「ああ。途中で主任設計者を外されてしまったがな。儂の力不足だ。しかし奴 は最後まで『自分の船』を見届けると言い張ったから、1週間ほど前に儂のコ ネで乗船させておいた」 「こうなることが、わかっておられたのですか?」 「ナナミの奴は予想しておったよ。だが、儂がタネを仕込めたのはここまでだ。 ここから先は、英雄様たちのお慈悲にすがる以外、できることはない」 「そ、そんな、この絶望的な状況で、艦載機だけでも救出できるなど、そのほ うがよほど英雄的であります、艦長」 「絶望か! いいかね、こんなものはまだまだ絶望的な状況とは呼ばん。 おっと、どうやら次のリクエストが届いたようだな。ふん、派手にやってく れる。ここまでおおっぴらに負けると、いっそすがすがしいというものよ」 艦橋の統合ディスプレイに、赤い文字が浮かんだ。全員がその文字を見上げ、 そして呆けたように口を半開きにする。 カウントダウンが始まった。 ■2月17日18 26 H国山岳地帯 ヘイズが根拠地としている穴倉には、一面にフロワロの花が咲き乱れていた。 人間の侵入を阻むのであれば、これが一番面倒がないということだろう。もっ とも、ここの主人はフロワロだけでは飽き足らなかったのか、入り口付近には いかにも剣呑そうな雰囲気を漂わせる竜が守りを固めている。 「ヴァイス、着弾まであとどれくらいだ」 「1分以内です。誤差30秒前後」 「オーケー、そろそろ衝撃に備えろ」 そのとき、地平線の彼方で何かが光った。遠目には数機の飛行機が飛んでい るように見える。見張りに立っていた竜たちが、威嚇するような顔になって、 飛翔体群を睨みつけ―― 次の瞬間、天と地がひっくり返った。 正規空母“鶉”から発射された巡航ミサイル6発は、ヘイズの基地の地表部 分を一瞬で焼き尽くした。地上にいた竜たちは、悲鳴をあげる時間すら与えら れなかった。音速を超える速度で飛来した裁きの矢のうち、数発は最後の最後 で急上昇し、そのまま急降下するように軌道を変更、大地に深々とした穴を抉 る。 崖の上で着弾を観測していたシンラたちは、想像した以上の破壊力に一瞬絶 句したが、次の瞬間には翼を生やしたシンラにつかまって全員が宙に舞い上が っていた。 「すげえな、こりゃ。さすが一発2億だけのことはあるぜ」 「そんなするの!? じゃ、じゃあ今の一瞬で12億!?」 「おう」 「なんかもう、一生分の浪費をした気分」 「給弾システムがジャックできれば第二波も撃てたんですが」 「十分だ。これ以上は俺ら庶民には弁償しきれん」 「今だって無理でしょ、12億なんて」 「連帯責任って言葉があってな、一人4億だろ、頑張ればもしかして……と、 あの穴から中に入るぞ。環境シールド起動まで3秒。起動、いくぞ!」 「アイ・サー」 彼らが突入した先は、闇に包まれた通路だった。ミサイルは地下2階までの ショートカットを作ってくれた一方で、爆心地近くは天井の崩落も激しく、あ まり安全とはいえない状況だ。 それでもなんとかシュヴァルツが瓦礫の隙間を見つける。シンラが通り抜け るのに一苦労したものの、辛うじて彼らはヘイズの拠点内部への侵入に成功し た。さすがに、彼らの表情からも余裕の色は消えている。ここは文字通りのパ ンデモニウムであり、ヘイズが待つであろう最下層までは地獄と遜色のない世 界が待ち受けていることを、彼らは知っていた。 「シンラ、やばいのが来る気配がする」 「ヴァイス、シュヴァルツ、周辺警戒だ。カガリ、ステルスモードを起動」 「ステルスモード起動完了。ダメね、こっちに来てるみたい」 「余計な雑魚がついてこないだけでも十分だ」 「隊長、敵影確認。データにはないタイプです」 「わかるのは、厄介だってことだけか。二人とも、正面を取るなよ。俺が攻撃 をひきつける。あとはいつもどおり、だ。武運を」 「ご武運を」 じゃらり、じゃらりと、鎖を引きずるような音ともに、闇の向こうから巨大 な刀身を模したような姿の竜が現れる。シンラは理力楯をかざして走り、ヴァ イスとシュヴァルツはその姿を闇へと溶かした。カガリは精神を安定させる効 果のあるフィールドを展開していく。 「来い、バケモノめ! 貴様のその刃が伊達じゃねえってなら、かかってくる がいい!」 シンラが咆えるように絶叫する。 かくして、絶望的な消耗戦が幕をあけた。 ■2月17日21 48 H国山岳地帯 「……! ……ラ! シンラ!」 耳元で自分の名前を呼ぶ声を聞いて、シンラは意識を取り戻した。頭蓋を捻 じ曲げるような鋭い頭痛と、全身を苛む鈍痛に、顔をしかめる。 「クソ、頭ん中で……魔女の婆さんが、ルンバを踊って……やがる。状況の、 報告を」 「仮称『ヘイズ・シールド』は倒したわ。あの壁みたいな奴。あなたは最後の 一撃を受けきれなくて、私の治療も間に合わなかった。幸い、ヴァイスとシュ ヴァルツのカウンターで始末できた。あなたは心肺停止状態だったけど、蘇生 を試みて、今ようやく成功したところ」 「死んでたのか――どうりで」 「精神汚染が進んでる?」 「――脳みそを、万力にかけてる、みたいだ。っと、シュヴァルツ、絶対に― ―共有回路を、開くなよ? 発狂しかねん」 「で、でも」 「すまん、時間がないのは、わかってるが、1分だけ、休ませてくれ。それか ら、動こう。ステルスモードは――維持、できているな? 環境シールド、は、 今ちょうど……動かしたところだ」 シンラは荒い息をついて、背を壁にもたれかからせる。カガリは彼の額に手 をあて、僅かでも苦痛を緩和しようと治療フィールドを活性化させた。ヴァイ スとシュヴァルツは不安そうな顔でそれを見守っている。 彼らは、限界に達しつつあった。 もとより彼らは敵陣に深く潜入し、そこで長期間活動することを前提に編成 されたチームではあったが、この場所は彼らをして常識外れの消耗を強いられ る場所だったのだ。治療フィールドを維持しているカガリも顔面は蒼白で、ヴ ァイスとシュヴァルツは全身のあちこちに怪我が目立つ。 だが、一番状態が悪いのはシンラだ。彼が生きているのは、皮肉にも、意識 を失ったことによって体内の竜が活性化したためだ。その代償は大きく、彼の 右手は竜のような鍵爪に変形したままになっている――もっとも、そういうこ とがあり得るから、彼らは時代錯誤にも思える剣や斧といった武器を得物とす るのだが。 「あと……どれくらいで……ゴールだ」 「現在のペースで進軍した場合、推定で2時間です、隊長。敵の襲撃が激しく なることは予想できますので、3時間はかかると思われます」 「3時間は……まずい」 「なるべく戦闘を避けるしかないわね」 「だな……よし、オーケー……動ける」 シンラはよろよろと立ち上がった。どうみても大丈夫ではないのは明らかだ。 しかし、彼にはそれしかなかったし、チームメイトにしてもまた先に進む以外 の道を持ち得なかった。 だが、ヘイズが用意した防御網は、疲弊しきった彼らに追い討ちをかけ続け た。シンラの護衛能力は、レーザーですら「見てから止める」と言ってはばか らないほど高度なものだったが、『ヘイズアーム』と名づけられた巨大な剣型 の竜が振りかざしてくる一撃は、彼をして片膝をつかせる威力がある。 さらに問題になったのが、『ヘイズシールド』だ。ヴァイスとシュヴァルツ が振るう、単分子ワイヤをコートしたナイフは、あらゆる竜の装甲をやすやす と切り裂くが、この巨大な壁にも似た竜は彼女らの一撃を受けてなお平然とし ていた。大地をゆるがすような衝撃波は彼らを打ちのめすのに十分な破壊力を 持ち、身をもってその攻撃を受け止めるシンラはほぼ常に極限状態での戦いを 強いられている。 連戦に次ぐ連戦のなかで、一番焦りを感じていたのはカガリだ。彼女は数回 に渡るヘイズシールド戦の中で、彼女の内に潜む竜が持つ力をほぼ使い切って いた。竜の力を借りて医療用ナノマシンを通常の100倍近い効率で働かせるそ の技は、文字通り奇跡そのもののような威力を発揮するが、この「奇跡」には タネも仕掛けもあるぶん行使できる回数に限界がある。 それでも、彼らはひたすらに前に進んだ。群がる敵をなぎ倒し、切り払い、 叩き潰して、返り血と自らの出血に塗れながら、ただ、前に進んだ。誰一人と して、絶望の言葉を漏らすものはいなかった。彼らには、勝利か、さもなくば 死しかないのだから。 ――だが、ついに彼らの足が止まった。地下5階、ヘイズが待ち受けると推 測されるフロアに下りる階段の前に、ヘイズシールドが鎮座していたのだ。シ ンラは音速で振動する刃を備えた剣を起動しようとして、カガリにその手を止 められる。誰もがわかっていた。やれば、倒せるだろう。けれどそれは、ほぼ 相打ちに等しい勝利になる。ヘイズに立ち向かう余力は一滴たりと残るまい。 彼らは来た道を若干引き返し、そして、誰からともなくその場に座り込んだ。 「……俺が、あいつを引きつけよう。お前らはヘイズを直撃するんだ。それ以 外に手はない」 「シンラ、それは無理です。シンラのサポートがなければ、私たちは一瞬で殲 滅させられてしまいます」 「わたしも同意見です。あれを全員でなんとかするほうが、任務達成の可能性 は向上します」 「それで、全員でヘイズの顔を拝んで、一斉に死ぬか?」 「それは……」 「シンラ、落ち着きなさい。この子たちの言う通りよ。シンラ抜きでヘイズと 対峙しても、あたしたちには何もできない」 「じゃあみんなでここで死ぬのか?」 「――シンラ。あたしに作戦がある。ただし、成功する確率はかなり低いわ。 それでも、成功すれば全員がほぼ無傷であそこを通り抜けられる。どう?」 「勿体ぶるなよ、プランを話してくれ」 ■2月17日23 19 H国山岳地帯 彼らは、ヘイズシールドの近くまで忍び寄った。ヘイズシールドがさほど高 度な知覚能力を持っていないのは、これまでの戦闘で確認している。 『始めよう。準備はいいな?』 『……アイ・サー』 『いいわ』 シュヴァルツが熱光学迷彩を起動する。彼女の姿が闇に溶けた。 『いきます、カガリさん』 『ひと思いにお願いね』 ヴァイスはきっと奥歯を噛みしめると、ナイフを閃かせた。音もなくカガリ の左手が付け根から切断される。間髪いれずカガリは医療フィールドを起動、 大量出血を抑止した。 シュヴァルツは(傍目には透明人間だが)切断されたカガリの腕を握ると、 通路に飛び出し、ヘイズシールドに向かって投げつける。 ヘイズシールドは、突然、自分の目の前に投じられた人肉の断片を見つけた。 「この状況で、何の前触れもなく人間の肉が放り出されるなど、罠以外にあり 得ない」という思いと、「ひさびさのご馳走だ」という本能が交錯し、一呼吸 ほど闘争を繰り広げた結果――本能が勝利した。 ほんのちょっとだけ。ほんのちょっと、目の前の肉を拾って食うくらいのこ とで、何が変わるだろうか! ヘイズシールドは触手をはためかせ、カガリの腕を拾い上げた。 その瞬間、翼を展開していたシンラは、3人の仲間をぶら下げ、ヘイズシー ルドの上にわずかに生まれた空間に飛び込む。触手が侵入者を叩き伏せるべく 振り上げられるが、間に合わない。コンマ数秒の差で、シンラたちはヘイズシ ールドの頭上をフライバイすることに成功していた。 階段に着地したシンラたちの背後で、怒りの咆哮が響く。シンラは3人をぶ らさげたまま、躊躇なくもう一度宙を舞った。飛ぶというよりは、ジャンプす るのに近い。あちこちの壁に派手に身体をぶつけながらも、彼は長い階段をす さまじい速度で降下していった。徐々に咆え猛る声が遠くなっていく。 「ここ、が、最下層、か――カガリ、大、丈夫、か?」 カガリの白い顔は、輪をかけるように蒼白になっていた。出血を止めた直後 の激しい運動で、塞いだばかりの傷が開いたのだ。医療フィールドによる治療 で出血を食い止めているが、またいつ傷口が開いても不思議ではない。 「酔った。でも大丈夫」 「は、は、す、まん――な」 「あなたたちは怪我はない? ひどい運転だったから」 カガリが床にしゃがみこんでいるヴァイスとシュヴァルツに声をかける。 「だ、大丈夫、です」 「……うう、ちょっと酔いました……」 「あなたこそ大丈夫、シンラ? こんなに長時間翼を出してる予定じゃなかっ たのに」 「大丈夫、ダ。っく、どこガ、だな、クソ。侵食、されテ――いく、のガ、止 まラん」 シンラの呂律が怪しくなってきた。カガリは、彼の舌が爬虫類を思わせる尖 り方をしていることに気がついく。シュヴァルツがシンラに手を伸ばすが、カ ガリが慌ててそれを止めた。 「やめなさいシュヴァルツ。いま何の外部サポートもなしにシンクロしたら、 即死しちゃうわ。シンラ、翼を戻せない?」 「……だめ、っポい、な。急ゴ――う。ソれしか、なイ」 シンラの両手は、完全に竜のそれに変化していた。顔にも鱗のような模様が 浮かび上がっている。裂けたボディーアーマーから垣間見える皮膚は、やや緑 がかって見えた。一歩を踏み出そうとして、よろける。背骨も微妙に変形して いた。 「シンラ……」 「ダいジょうブ、だ―― 雨の、よウナモ……のさ、やガ――ては、過ギ去、ってイく。そンな、こと モアッタ、なト、思イ出し――消えテいク…… さあ、イく、ぞ、コれが、ラス、と、ダ」 「ええ――いきましょう」 あたかも竜のように、やや前のめりの姿勢で歩くシンラの後を追いながら、 カガリは心の中で絶叫した。 これが、人類の業だとでもいうの!? 竜に会っては竜と成りてこれを殺し、 人に会っては人と成りて人を殺す。それが、そんなことが、人類の歴史だとで もいうの!? 彼女は情動制御回路をコールし、とめどなくこみ上げてくる感情を押し殺し た。今は、泣くなどという贅沢は許されない。そしてきっと最期まで、そんな 贅沢は、仲間たちの誰にも許されない。 ならば――ならば、それでいい。涙を流すのは、別の人に任せよう。 あたしたちは、血を流すので十分なのだから。 ■2月17日23 37 H国山岳地帯 地下5階には、敵の姿は見えなかった。フロワロは咲き乱れているが、シン ラが放出する環境シールドが彼らを守っている。4人は真紅の花畑を踏みしめ ながら前進し、やがて通路の突き当たりにある巨大な扉の前にたどり着く。 「これ、かしらね」 「間違いありません。内部から強烈な竜の反応。ヘイズか、さもなくばヘイズ 級の竜である確率は95%を越えています」 「ヘ、いズ、だ、よ――オレには、わカる。ヨんでルのが、きこエ、ル」 「『良くここまで来たな、虫けらども。褒めてやろう』って感じ?」 「せイかイ」 「お呼ばれとあっては仕方ないわね。行きましょう。覚悟は――いいわね?」 「はい。想定よりも我々の消耗は小さいです。現時点での任務達成確率、3%」 「お姉ちゃん、もうちょっとサバ読もうよ。マニュアルにも、士気が鼓舞でき ることが予想されるならば倍くらいまでは嘘を言っていいと書いて」 「あー、もう。元気ね、あなたたち。 ……さ、みんなやる気マンマンみたいだし、始めましょうか、シンラ」 シンラは無言でドアに力を込めた。音もなく、扉が開いていく。 扉の向こうは、広大な空間が広がっていた。打ちっぱなしのコンクリの壁が 寒々しさを感じさせる。天井は高く吹き抜けていて、この部屋の主が悠々と過 ごせるだけの空間が確保されていた。 部屋の真ん中には、全身を武装した巨大な竜の姿があった。どこかぬめりを 帯びたメタリックな輝きは、竜と人間の技術を融合させて作った合金だろう。 あちこちに大口径の機関砲がマウントされている。 「良く来たな、人間ども。ちょうど退屈していたところだった。ここまで来れ るとは思っていなかったが、少しは楽しませてくれそうだな」 「月並みな脅し文句ね」 「貴様らの『月並み』は、我々が作ったものだ。所詮、貴様らは我らの餌よ。 ニアラの命令ゆえ、やむなくつまらん政治屋の真似事をしていたが――今日で 終わりにしても良いというわけだ。貴様らは、祝杯代わりにしてくれよう」 「御託は十分よ。政治屋みたいに無駄口叩いてないで、ちゃっちゃとやること をしましょう」 「いいだろう。安心しろ、すぐには殺さん」 4人は一斉に散開する。シンラは剣と楯を構え、カガリは片手に拳銃を抜い た。ヴァイスとシュヴァルツの手には、鈍く光るナイフ。 『ヘイズは強力なECMを展開している。可能なタイミングがあれば、ECMを潰し ていけ。うまくいけば、“鶉”からの支援砲撃が期待できる。奴がここから逃 げ出した場合も、追跡が容易になる』 シンラが生体通信で指令を下す。3人は、シンラの内部で渦巻く狂気を通信 ごしに感じ、彼が生体通信においては普段と変わらない口調を保てていること に改めて驚嘆していた。 ヘイズが30ミリ機関砲を乱射する。あちこちでコンクリがえぐれていくが、 カガリへの着弾はすべてシンラがカバーしている。ヴァイスとシュヴァルツに は、かする気配すらない。 シンラが左手に持つ楯は、実体としての楯ではなく、空間の連続性を量子論 的に遮断する兵器だ――その威力と効果範囲は、彼の内部に渦巻く竜の力に比 例して大きくなる。 シュヴァルツとヴァイスが熱光学迷彩を起動する。彼女たちの姿が消え去っ た。カガリは自分とヘイズの間に常にシンラが入るような位置をキープしなが ら、空間全体にナノマシンを発散させていく。 銃撃では埒があかないと悟ったヘイズは、まずは邪魔な壁を排除すると言わ んばかりに、シンラに向かって巨大な鉤爪で襲い掛かった。 が、その懐でシュヴァルツの姿が実体化する。カウンター気味に打ち込まれ た一撃は、ヘイズの装甲をやすやすと切り裂き、傷跡からは緑の体液が噴出し た。一瞬の隙もなく、ヴァイスがヘイズの背後に姿を現し、背中に搭載してい た武装ラックを叩き斬る。火花が散って、コンデンサーが焼ける特有の匂いが 充満した。 ヘイズは、そんな彼女たちを無視して、シンラに向かって巨大な鉤爪を振り 下ろす。シンラは楯をかざし、真っ向からその一撃を受け止めようとした。 「おおおおおオオッ!」 シンラの雄たけびが響く。楯の構造的に、物理的な衝撃が彼に伝わることは ない。だが楯への打撃は、そのまま彼の精神を揺さぶる。無意識のうちに彼は 両足を踏ん張り、ヘイズの巨体を支えるように全身に力を込め―― そして――ヘイズの鉤爪は、シンラのかざした楯の前で静止した。禍々しい 色に染まったヘイズとシンラの瞳が、互いの瞳を凝視する。シンラは楯の効果 範囲をコントロールすると、空間の隙間から剣を振るう。ヘイズの鉤爪が1本、 ゴトリと重たい音をたてて地面に転がった。 状況の不利を悟って、ヘイズは大きく飛びのく。だがそこにヴァイスとシュ ヴァルツが襲い掛かった。彼女たちは血に飢えたジャッカルのようにヘイズの 手傷に向かって攻撃を集中するや否や、シンラの援護可能範囲から飛び出すぎ ないように素早く後退する。ヘイズは苦痛と不快感に低く唸った。 「ここまで来るだけのことはある、ということか。面白い。面白いぞ。どれ、 その楯は初めて見るな。どんな武器なのだ」 ヘイズがシンラを凝視する。シンラは反射的に楯で自身をカバーしたが、想 像されたような攻撃は来なかった。口から火炎もなければ、目から怪光線もな い。ヴァイスとシュヴァルツはシンラを睨みつけるヘイズに対して更に攻撃を 加えたが、何があるか分からないという判断が彼女たちに深入りを避けさせた。 「……ふん。玩具としてはなかなかだ。どうれ、お前たちにこいつの使い方を 教えてやるとするか」 ヘイズの正面に、空間の歪みが出現した。その中心には、シンラが持つ楯と 同じようなものが見える。 『シンラ、あれは、まさか』 『ヴァイスは分析を急げ。シュヴァルツ、無理に手を出すなよ』 ヴァイスは軽く後退して、ヘイズがかざした楯の特性分析に入る。シュヴァ ルツは散開して、ヘイズの隙を伺った。 「どれ、人間どもは、これをこうやって使うのだろう?」 ヘイズは尊大に言い放つと、左の鉤爪を大きく振った。その動きにあわせて 楯が動く。本能的に危険を察知して、シュヴァルツが大きくサイドステップを 踏んで――そして突然、すさまじい勢いで跳ね飛ばされた。投げ捨てられた人 形のように地面を激しく転がり、ぴくりとも動かなくなる。 カガリはシュヴァルツの生命機能に重大な損傷が発生したことを感知し、緊 急蘇生措置を起動した。ややあって、激しく咳き込みながらシュヴァルツが上 体をもたげる。彼女は口から大量の血を吐いていた。ヘイズは彼女を踏み潰そ うと突進したが、行く手をシンラに阻まれる。 『分析完了、あれはシンラの持っている理力楯とまったく同じものです!』 『そんな。あの楯は最高機密クラスの』 『事実は変えられん。シュヴァルツ、動けるか?』 『大丈夫です』 『二人で180度逆側から攻撃を続行しろ。この楯は、ニ方向を同時には止めら れん。殴りつけてくるようなら、俺がフォローに入る』 『アイ・サー』 戦況は彼らにとって一気に悪化した。ヴァイスもシュヴァルツも、あの一撃 があることを前提にすると、思い切った踏み込みができずにいる。シンラもま た、チームの打撃力である彼女たちの半分を封じられた上、いつどちらが狙わ れるか分からない状況にあって、思うようなポジショニングができずにいる。 カガリは治療と回復フィールドの維持にかかりきりだ。 「ハッ、どうにも飽きてきたな。ニアラの好物でも試してみるとするか」 ヘイズは楯を防御的にセットすると、高らかに咆哮する。その身体が青白い 光に包まれた。 『シンラ、ヘイズが回復フィールドを張ったわ』 『カガリ、こちらの打撃速度と、やつのフィールドの回復速度を比較しろ』 『ヘイズの回復力の方が上よ』 シンラの顔が険しさを増す。今のところシュヴァルツが一度大打撃を受けた 以外、失策といえる失策はないものの、このままではジリ貧だ。それに全員が 無視しようと務めているが、ここまで来る間に彼らが負ったダメージは深い。 どこかで誰かの緊張の糸が途切れたが最後、一瞬でチームは全滅しかねない。 シンラはヘイズが次々に繰り出す攻撃を捌き、受け止め、チームに指示を下 しながら、打開策を考え続けた。だが少しずつ、頭の回転が散漫になっていく。 竜の狂気は、戦闘という好物を与えてなお、彼の内面を激しく蝕んでいた。 集中を途切らせないように、途切らせないようにと意識しながら戦うシンラ に、再びヘイズの鉤爪が振り上げられた。気を引き締めなおして、鉤爪のコー スを読み、楯を構える。図体が馬鹿でかいぶん、フェイントだの攻撃の変化だ のを考えなくてもいいのはありがたい―― 次の瞬間、シンラは壁に叩きつけられていた。脊髄が軋み、息がつまる。カ ガリの叫びが彼の脳裏に木霊する。 地面に倒れたシンラの耳に、ヴァイスの悲鳴が聞こえた。立ち上がろう、立 ち上がらなくてはならない。どんなにそう念じても、彼の身体はまるで動かな い。むっとする血の匂いが鼻をつく。 ■2月17日23 46 H国山岳地帯 カガリは、シンラが見当はずれなところに楯をかざしたのを見て警告の声を あげたが、間に合わなかった。精神汚染が、彼の視覚に再び影響したのだ。ヘ イズの鉤爪に直撃されたシンラは戦闘続行不能なダメージを受け、そしてカガ リが動く隙もなく尻尾の一撃がヴァイスを捕らえた。装甲版がヴァイスの首筋 から右顔面をざっくりと切り裂き、彼女は脳震盪と出血性のショックでぱたり と仰向けに倒れる。 チームが半壊する事態にあってなお、カガリは落ち着いていた。意識を集中 させて自分の内に眠る竜を刺激すると、大気中に散布しておいた治療用ナノマ シンを一気に活性化させる。シンラは本能が命ずるままに立ち上がり、ヴァイ スもまた、片目は失ったままだがショック状態からは脱した。 シンラは翼を羽ばたかせると、一足で戦線に復帰する。シュヴァルツを狙っ たヘイズの一撃は、彼の楯が食い止めた。そしてチームは再びシンラを中心と したフォーメーションを組みなおす。ヴァイスの顔に刻まれた深い切り傷は、 カガリが展開した回復フィールドによって迅速に修復されていった。 カガリは、内心で敗北を意識し始めていた。今の「奇跡」で、奇跡のタネは 打ち止めだ。あと1回、なんとか捻出できないことはないが、そのためには彼 女の内なる竜を無理矢理たたき起こす時間が必要になる。現状、そんな時間的 余裕はどこにもない。 だがそれでも、彼女は諦めなかった。チームの誰か一人でも諦めれば、その 諦観はチーム全体に波及する。決壊寸前まで追い込まれた状況であるとはいえ、 そんな無様な最後を迎えるなどということは、彼女のプライドが許さなかった。 無意識のうちに下唇を噛みしめていた彼女の脳裏に、シンラの声が響く。 シンラは、事態の打開策を悟っていた。実のところそれは、ヘイズがあの楯 を出現させたその瞬間から、彼の脳裏によぎっていたものだ。しかしそれはあ まりにも馬鹿げた、リスキーな策であり、彼はそれを竜の狂気の産物として却 下してしまっていたのだ。 そして今、彼は奇妙に冴えた頭の中で、その直感が正しかったことを――正 確には、それ以外の手がないことに気づいていた。 ヘイズの猛攻を受け流し、チームのカバーに走りながら、彼は作戦展開図を 脳裏にまとめ、生体通信で画像を共有させる。彼の内側で一層激しく荒れ狂う 竜の狂気は、あわや画像リンクに接続したチーム全員の脳を焼くところだった が、それでも彼らはそのプランが勝利に続く唯一の小道であることを直感的に 理解した。 そしてシンラは、このプランの要となる一手が打てるのかどうか、カガリに 問い…… ――カガリはただ一言、「できるわ」と答えた。 ■2月17日23 47.5 H国山岳地帯 彼らはフォーメーションを変更し、攻撃正面を固定した。ヴァイスとシュヴ ァルツは同じ方向からヘイズに襲い掛かり、巧みなフェイントとコンビネーシ ョンで楯による防御をかいくぐる。 ヘイズは、シンラがやってみせたように、理力楯の一部に任意の穴を開ける ほど扱いに慣れているわけではない。いきおい、二人の猛禽類からの攻撃を防 ごうとして楯を展開すると、攻撃は防げるがヘイズもまた彼女たちを攻撃でき なくなる――シンラとカガリは攻撃陣の背後を完璧にキープしており、ヘイズ はイラつき始めていた。 かくして、ヘイズの頭に自明の結論がよぎる。二人が同じ方向から襲い掛か ってくるのだから、その二人をなぎ倒すように楯を振ればいいではないか。ま さに一網打尽。勘違いした小蝿二匹が壁の染みになるところは、さぞ爽快であ るに違いない。 このアイデアは、ヘイズを魅了した。そして、さして深く考えることもなく、 それを実行することに決める。もう勝負は決しているのだ。攻撃力を失った防 御チームだけをじっくりいたぶって殺すのもオツなものだろう――ニアラは 「この絶望感こそが、最大の美味」と言うが、一度それを徹底的に試してみる のも悪くない。 ヘイズは一歩後ろに下がると、執拗に追いすがるヴァイスとシュヴァルツに 向かって楯を振り上げ、そして、全体重を乗せて振り下ろした。 そのとき、シンラが飛び出した。彼は楯を可能な限り広げると、ヘイズの楯 に向かって叩きつける。 突然、ヘイズは自分が罠にかかったことを知った――そして、罠から逃れる にはもはや手遅れだということも。 量子化された二つの隔離空間が、凄まじい速度で衝突する。 ひとたび、その2つは何事もなかったかのように互いを通り抜けさせ、 しかし本来そのようなことがあり得ないということを思い出したかのように 激しく排斥しあい、 そんなこともあっていいんじゃないかと言わんばかりに空間があいまいに捻 じ曲がり、 負荷に耐えかねた空間そのものがガラスのように砕けて、 風景そのものが細かく舞い散り、降り積もっていき、 そして、一瞬でも不可能が可能になったことを糊塗するかのように、現実世 界において大爆発が起こった。 ■2月17日23 48.2 防衛戦線中央司令室 「エメル総指揮官、H国にて空間断裂の振動が確認されました」 珍しく、オペレーターが緊張した表情を浮かべる。 「シンラだな。無茶をする。本当に、無茶をする」 タケハヤが呟く。 「振動だけか。ふむ、我々が幸運だったのか、それとも彼が不運なのか、判断 に悩むな。私の試算では、空間断裂が共鳴して、7割程度の確率で地球がブラ ックホール化するはずなのだが」 エメルが悠然と言う。 「モニタを続けろ。今のはただの――ただの、『臨機応変』の範疇だろう。あ いつらの蛮行が、この程度で終わるとは思えん」 ■2月17日23 49 H国山岳地帯 カガリは、シンラのダッシュにあわせて大きく後退すると、対量子障壁を展 開していた。爆発の威力は凄まじく、彼女は派手に吹き飛ばされ、左肩からは 大量の出血が始まったが、それでもなんとか彼女は生きていた。第一段階はク リアだ――そして、彼女にとってのすべてのステップはクリアされた。 爆発の粉塵が吹き上がるなか、彼女のセンサは仲間の命が重篤な危機にある ことを探知し、脳に埋め込まれたプラントはその情報に基づき自動的にアドレ ナリンを噴出させる。 ――まったく、あんな大爆発に巻き込まれて、身体が残っているってほうが、 そもそも奇跡よね。ま、シンラが守ったのだろうけど。 唐突に、妙な嫉妬心がカガリの心をよぎる。まったくもう、あたしのことは 守ってくれないんだから。 この期に至って自分がそんな感情を抱くことに苦笑しながら、カガリは自分 の内なる竜を覚醒させるべく集中する。粉塵の向こうで、深手を負ったヘイズ がゆっくりと立ち上がるのが見える。 ヘイズは苦痛の雄たけびをあげ、辛うじて生き残っていた30mm機関砲をカガ リに照準した。禍々しい銃口が、カガリを捕らえる。 「それ故に……悔いの残らぬよう、やり遂げなさい。我、生きずして死すこと なし。理想の器、満つらざるとも屈せず。これ、後悔とともに死すこと無し… …わかっていたはずだった……あたし達は、自由を見られるかしら?」 機関砲の最初の一発が発射される前に、カガリは内なる竜の狂気を完全に解 放し、空間に残滓のように残っていた医療用ナノマシンを活性化させた。視界 の隅で、三人が蘇生したことを告げるメッセージが点滅する。 その直後、ヘイズが放った直径3センチの弾丸はカガリの右足を捕らえ、足 そのものを吹き飛ばした。そして次の一発が左半身を直撃し、彼女の身体の半 分を大穴に変える。 彼女は着弾の衝撃で跳ね飛ばされ、地面に転がったが、その身体が最初のバ ウンドをする頃には既に息絶えていた。 ■2月17日23 49.7 H国山岳地帯 カガリが死んだ瞬間、意識の奥で、シンラは自分の絶叫を聞いた。それなの に、身体はどこまでも冷静に、彼がすべきことを進め続ける。 『シンラ、制御装置の解除を申請します』 シュヴァルツの声が聞こえる。 『解除を許可する』 自分がそんなことを言えることが信じられなかった。一度。一度しかできな いのだ。この意味がわかっているのか!? そう、心が叫んでいた。だが、そ の声が心の外に出ることはなかった。 『制御装置を解除。生体の持つ特殊機能が一時封鎖されます。 ...Good luck, Shinra』 カガリを血祭りにあげたヘイズは、全速力で間合いを取ろうととするヴァイ スを次の獲物と決めたのか、機関砲を撃とうとする。しかしヘイズが照準を定 める寸前、シンラはヘイズに生体通信を繋げた。そんなことをすれば普通なら ば即座に発狂して死ぬところだが、限りになく竜に近づきつつあった彼は、そ の不可能を乗り越えた。 『ヘイズ。神を自称する者が、人間の武器で大火傷をした挙句、それでも最後 は人間の武器頼みか。語るに落ちたとはこのことだ』 ヘイズはぴくりと動きを止め、シンラを睨みつける。 『自称ではない。我らは人間の創造主。神そのものだ。貴様らが何をやったと ころで、我らには勝てん』 『しゃらくさいことを言うなよ、ヘイズ。お前たちが神でなどないことは、簡 単に証明できる。お前たちは、命の危険を冒してまで、俺たちを食いにやって きた。確かに、なかにはお前のような戦闘狂のスリルジャンキーもいるが、大 半は俺たちを食うのが目的だ。ニアラすらそうなんだろう?』 『――大半、ではないな。俺以外の竜はみなお前らを食うのが最大の目的よ。 今更、何を言っている』 『命がけで狩りをして、生きるために食う。そんな神がいてたまるか。お前ら は、ごく普通に、食物連鎖の上のほうにいるというだけに過ぎん。この宇宙の どこかを探せば、きっとお前らを捕食する生物だっているだろう。神だ? 馬 鹿馬鹿しい。お前らもまた、どこにでもいる、弱い生物の一員さ』 『遺言はそれだけか、餌よ。さて、いよいよもって――死ぬがよい』 『はは、俺はね、意外とお前のことを尊敬してるんだよ。お前は、あらゆる竜 のなかでただ一匹だけ、食うことよりも戦うことを好む。さぞ、肩身が狭かろ う。だが――お前だけは、神を名乗る資格を持っていると思うぜ。たった一つ の問題を除けば』 ヘイズは奇妙な表情を浮かべた。あるいは、それはシンラに対する不思議な 共感だったのかもしれない。それでも、ヘイズはその感覚を無視して、機関砲 の照準をシンラに合わせた。楯を失ったシンラに、この攻撃を耐える術はない。 『なあ、ヘイズ。お前、神を名乗るには、注意力散漫過ぎるんだよ。ママに習 わなかったか? 喧嘩ってのは相手を殺すまでが喧嘩です、途中でお話し合い なんかしちゃいけません、ってな。 神竜ヘイズよ……そして、さようなら、だ』 ヘイズは、はっとしたように周囲を見渡した。そういえば、あの蝿どもはど こに―― シンラの目の前で、白い光と黒い光が交差する。ヴァイスとシュヴァルツだ。 彼女たちは持てる身体能力すべてを解放し、目にも止まらない速さで次々にヘ イズを突き刺し、抉り、破壊し、切り刻んでいく。 白い光は次の瞬間に黒い光と入れ替わり、黒い光は白い光を導くように入れ 替わる。最初から人間離れした速度だったそれは、徐々に速度を上げていく。 ヘイズは必死で攻撃に対処しようとしたが、ヘイズの繰り出したあらゆる攻撃 は空を薙ぐだけだった。 そして二人がヘイズの頭上に立って、その頭蓋にナイフを打ち込んだ瞬間、 シンラは脳裏に無機質な声を聞いた。 "System boot... Final check. Energy max" "2 seconds after shooting from the sword of Fudoumyouoh" "You did your best. Was I helpful for you?" "I am deeply grateful to you." シンラは左手をかざすと、人間の理性と竜の狂気を調和させ、ドーム型の空 間遮断壁を構築する。究極を極めれば、楯は飾りに過ぎない。そう言っていた 戦士の言葉を、ふと思い出す。 攻撃型軍事衛星「不動明王」から放たれたエネルギーの束は、大気圏を貫き、 正確にヘイズを――より正しくはヴァイスとシュヴァルツをマーカーとして、 地上を撃った。ヘイズを電子的に守っていたECMは二人の猛攻によって破壊さ れ尽くされており、ヘイズは照準波に対し完全に丸裸だった。 衛星に蓄積されていたエネルギーは、5層の地殻を貫通し、ヘイズを直撃す る。シンラは、あまりのまばゆさに思わず目を閉じる。 光の後を追うようにして高熱が押し寄せ、あらゆるものを溶かし、蒸発させ ていった。空間障壁に守られていない世界が、瞬く間に崩壊していく。 エネルギー照射は、プログラムどおり、正確に2秒間行われた。 ■2月17日23 52.6 H国山岳地帯 シンラが目をあけると、周囲は灼熱の地獄と化していた。彼が生きているの は環境シールドと空間障壁が機能しているからに過ぎず、その空間障壁はまも なく効果を終える。 シンラは、がっくりと膝をつくと、激しく吐血した。いままさに、彼は一匹 の竜に変容しようとしている。そしてそれを拒もうとする人間の理性とのせめ ぎあいのなかで、身体が崩壊しつつあるのだ。 そのとき、彼の視界の隅で、大きな影が動いた。 ヘイズは、まだ生きていた。 シンラはぎこちなく立ち上がると、剣を構えなおす。 ヘイズはボロボロになった身体を引きずりながら、シンラの前に立った。 シンラは確信する。ヘイズは、本当に馬鹿なのだ。本当に、本物の馬鹿なの だ。ほぼ竜と同化しているシンラの頭の中には、ニアラが状況の報告と至急の 帰還をヘイズに求める声が響いている。 だが、ヘイズはシンラの前に立った。 シンラは確信する。俺は、本当に馬鹿なのだ。本当に、本物の馬鹿なのだ。 ヘイズには、もうまともに動く力は残っていない。このまま頭上に空いた大穴 に向かって飛べば、俺は生き延びる。 だが、シンラはヘイズの前に立った。 言葉は、必要なかった。 ヘイズはいまだに燃えている己の鉤爪を、緩慢な動作で振りかざす。シンラ は、両手で剣を構えなおした。 ヘイズの鉤爪が振り下ろされ――シンラは、凍りついたような時間の中で、 それをがっちりと受け止めた。衝撃で腕の骨が砕け、内臓がはじける。それで も、彼は巨竜の一撃を受け止めた。 そして、コマ落としのように流れる時間の中で、渾身の力を込めて、ヘイズ に己の剣を叩きつける。 怒りも、憎しみも、なかった。 悲しみも、絶望も、なかった。 ただ、すべてを失った彼に残されたすべてが、そこにあった。 その一撃はヘイズの胴、心臓の真上を直撃し、 そして―― 鈍い音を立てて、剣は折れた。 ■2月17日23 55 H国山岳地帯 ヘイズは去った。 シンラは剣の残骸を投げ捨て、そしてふと、自分の心臓がもう動いていない ことに気づく。 折れた右足を、前に差し出す。動いた。いいぞ。その調子だ。 そして左足を出そうとして、転倒する。左足は、原形を留めていなかった。 地面に倒れた彼は、ぐちゃぐちゃになっているがなんとか動く左手と、折れ た右足を使って、ずるずると這い進む。 シンラの視線の先には、カガリの青ざめた死体があった。 死んだら、さすがに静かだな――そんな戯言がシンラの脳裏によぎる。 もう、あらゆるものは問題ではなかった。 人類の未来も、 竜との戦いも、 暴走する理性も、 内なる竜の狂気も、 そんなものは何一つ問題ではなかった。 シンラは意識を極限まで集中させ、人間だった頃の自分の手を思い出そうと する。ゆっくりと、しかし着実に、彼の左手はごく普通の、ありふれた人間の 手に変容していく。 よし。第1ステップはクリアだ。 彼は止まってしまった心臓を叱咤しつつ、 のろのろとカガリの体に這い寄り、 混濁する意識のなかで、 思い切り腕を伸ばして、 カガリの手に、 自分の手を、 重ねようとする。 (完) ← イカルガ chapter4
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/102.html
CHAPTER6 巨大遺跡の王 ※このページはまだ書きかけです。 CHAPTER6 巨大遺跡の王 攻略チャート1.マイルーム ムラクモ居住区 2.国会議事堂 3.東京地下 メトロ深淵 4.東京地下 塔ノ庭園 5.血戦ノ闘技場 6.塔ノ庭園 7.西ノ広間 8.東ノ広間 9.血戦ノ闘技場 CHAPTER6 クエスト他命の恩人に渡して下さい 気持ちの整理を… 非番のムラクモへ 手紙を渡してちょーだい! 攻略チャート 1.マイルーム ムラクモ居住区 部屋にイズミが来て会話イベント 選択肢 結果 もちろんだ ストーリーが進行する いつか超えなきゃな ストーリーが進行する 就寝中にイベント発生。起きるとイズミから弁当が届いている。 イズミからの弁当 からあげ弁当 1個 その後、ムラクモ本部へ。 2.国会議事堂 改修案 報酬 必要条件 必要Dz 武装Lv7 新商品 武装Lv6 11Dz スキルLv4 新スキル スキルLv3 13Dz 大浴場Lv2 ごゆるりと・・・ 大浴場Lv2 3Dz ラウンジLv2 蘇生テクニックLv2 ラウンジLv1 3Dz サイキックが居るならスキル開発案再優先。ぶっ壊れスキルのフロストバーンが登場する。 居ないなら武装開発案でいいかも。メディスIVと蒼竜水が販売され、継戦能力を大幅に向上させられる。 Lv7からフィジカルガードが販売されるため優先的に購入。ただし前章山手線内で1つ、今章東京地下で1つ入手できるので買うのは4つで十分。 前作同様今作でも出血を単体で防げる装備はないので出血対策はこれに頼ることになる。 次点で防具の更新を。武器は今章終盤で達成できる60人救助報酬でも入手できるため、金銭的に厳しいなら最悪後回しでもいい。 トリックスターは今章のクエストで専用装備の短剣と防具を入手できるので、それも踏まえて購入計画を。 大浴場はようやくEXゲージ回復効果が付くようになる。 が、肝心の質の良すぎる燃料入手手段が現状だと池袋のデクマグネルかフロワロシード系しか落とさないうえに低確率。 ムラクモ本部でイベント後、東京地下メトロ大遺跡へ。 3.東京地下 メトロ深淵 通過するだけ 4.東京地下 塔ノ庭園 入ってすぐ目の前のシンボルはドラゴンハンマード しばらくすると移動し始め、途中で二手に分かれるので片方ずつ処理。 通常、振り下ろし、なぎ払いを繰り返す脳筋なので、同時に相手取るにはかなりきつい。 雑魚戦はカエル合唱団再び。睡眠対策が必須。単体ではあるが出血攻撃や麻痺攻撃も来る 壁ドラゴンはキルホーンドラグ 通常は牙折有効、麻痺、出血対策必要、スキル封印は現状防ぐ手段がない 1T 通常2 2T 封じの叫び 突進の構え 3T グレートホーン 通常 4T 通常2 5T 通常2 以下繰り返し 武装Lv7になっていればフィジカルガードで麻痺と出血両方防げるので楽になる。 麻痺で行動不能の方がキツイが出血ダメも51と割りと洒落にならない。アイテムも勿体振らず使っていこう。 奥のセーブポイント辺りでイベント、真っ直ぐ以外は進めないので素直に直進。 宝箱 ガードリングIII 1個 宝箱 ヒールエアロIII 5個 救助 オタクなお兄さん 5.血戦ノ闘技場 中央でイベント戦。 選択肢 結果 データ収集のため交戦する ストーリーが進行する 準備を整えてかかる 戦闘は4T目に終了する。 1T 最速発動岩落下+甲羅篭もり。 2T 通常2 3T 通常 隠れバーンブレス 戦闘後、自動で入り口に戻る。 6.塔ノ庭園 左から1番目 螺旋階段途中の部屋でドラゴンハンマード2と宝箱 背後を取るのは楽なので1Tで殺しきれる火力がない場合は奥義使用も検討に。 宝箱 ヒールエアロIV 4個 宝箱 フィジカルガード 1個 7.西ノ広間 次の部屋が目的地その1 入ってすぐのシンボルはアイスモーフドラグ 加速準備で回避率を大幅に上げてくる。 壁ドラゴンの癖に動くので背後を取るのは楽だが、壁フロワロ越しにドラゴンハンマードが乱入してくる。SPボーナス付きで3体纏めて倒せるなら美味しい。 奥でブラッドスナッチと戦闘 1T ブラッドリアクト 通常 2T 封印キャノン 大回転の構え 3T 大回転 通常 以下繰り返し ブラッドリアクトで再行動、再行動時にHP回復+スキル封印攻撃を行うため出血防御必須。 封印キャノンは単体攻撃なので、出血さえ防げていればどうということはないはず。 宝箱 アタックリングEX 1個 宝箱 ヒールエアロIV 4個 救助 マニアなお姉さん 左から二番目 キルホーンドラグ1と救助者2名 宝箱 食材セット 6個 宝箱 オゾナールオール 2個 救助 コダチ 救助 怯える研究員 8.東ノ広間 右から二番目の通路、螺旋階段上の部屋に入る。目的地その2は 行けない部分は隣の入り口から入るので気にしなくていい。 瓦礫撤去イベントあり。 選択肢 結果 やっぱり開発班は頼れるな ストーリーが進行する いつも協力ありがとう ストーリーが進行する 奥でロックスナッチと戦闘。 大気振動の効果は2ターン後に最速のタイミングで発動。直前にHPを減らしたままターンを終えないように注意。 1T 通常 大気振動 2T 封印キャノンor通常 3T 岩落下 通常 大回転の構え 4T 大回転 通常 以下繰り返し。 倒すとイベントで強制的に螺旋階段地点まで戻されてしまう。 ロックスナッチの側から回り込まないと戦えない位置にいる、壁フロワロのキルホーンドラグを倒し忘れないように。 宝箱 SPアップ500 2個 螺旋階段下の部屋にアイスモーフドラグ2体と宝箱。 宝箱 特上ひのまる弁当 2個 1番右の通路に入り、螺旋階段上の部屋へ向かう。 最奥でウォールスナッチと戦闘。 1T 通常or封印キャノン 外郭にエネルギーを集中 2T 外郭硬化 通常or封印キャノン 3T 通常or封印キャノン 大回転の構え 4T 大回転 封印キャノン 5T 通常or封印キャノン 麻痺・ハッキングで外郭エネルギーや構えが取れないともう一度同じ行動を繰り返す。 他二体に比べて封印キャノンの頻度が高い。 救助 カミヤマ 下の部屋に救助者あり。 救助 ヤマモト 宝箱 特大からあげ弁当 2個 目標のドラゴン3体を全て倒し終わると、自動的に入口へと戻される。 この時点でクエストも含め要救助者を全員回収していれば、61人になっているはず。 一旦議事堂研究区に戻り、60人救助報酬の「イロモノセット」をもらっておこう。 名前こそアレだが、中身は武装拡張案Lv7より1ランク上の各種武器になっている。 ただしアイドルのメガホンのみ、ATK>MAT型のものになってしまうので、完全な上位品ではない。 9.血戦ノ闘技場 ジャバウォックと戦闘 出血が防げないと詰むので全員フィジカルガード*2装備 1T ブラッドリアクト パワータックル 2T ハンマークラッシュor通常 力溜め 3T バーンブレス(全・火ブレス・封印) 通常 以降2Tと3T繰り返し HP60%以下?で力溜め前後の行動が変わる ハンマークラッシュ 通常 パワータックルorハンマータックル 力溜め 大暴れ(全・物理) バーンブレス 通常 ハンマークラッシュorパワータックル リアクトが切れる度にブラッドリアクト+パワータックル追加 会話的に強キャラ感漂ってるが出血さえ防げれば封印との運ゲー。 デストロイヤーが主力の場合はフォローミー等で先導しないと中々削れなくて悶々とするやも。 HP6割切るとバーンブレスの頻度が下がるので大分マシになるが。 マイルームで寝るとチャプター7へ チャプター7 CHAPTER6 クエスト他 クエスト名 依頼者 報酬 発生条件 命の恩人に渡して下さい 一般人 天然不思議っ娘 SPアップ300 ×2ヒールエアロⅣ ×3 『首都高にバケモノが』クリア? 気持ちの整理を… 自衛隊 リン SPアップ200 ×2 非番のムラクモへ ムラクモ ナビ SPアップ500ギガントメダル 手紙を渡してちょーだい! SKY ネコ SPアップ200 ×2フィクスエアロ 命の恩人に渡して下さい 居住区Aの少女と会話→池袋中枢でフリーズドラゴンと戦闘。 チャプター5のものより数段強化されている。 ぶっちゃけ受注時点だと無理ゲーなので後回し推奨。 居住区A右上にいる、天然不思議っ娘と会話 選択肢 結果 正直、微妙かも… クエストが進行する おにぎりよりは、まあ… クエストが進行する キーアイテム「おそなえセット」を入手 池袋 中枢ポイントから入るといきなりイベント後、即フリーズドラゴン戦なので準備万全で挑もう。 パーティスキルなどを使っておきたい場合は、別のジャンプポイントから徒歩で中枢ポイントのイベント発生位置に接近すること。 戦闘終了後再びイベント、おそなえセットが手渡される。 議事堂 天然不思議っ娘に報告、報酬をもらって依頼達成。 気持ちの整理を… リンと会話→キリノ、ネコ、イズミと会話→リンと会話 リンは自衛隊駐屯区会議室、キリノはムラクモ本部、ネコはSKY居住区、イズミはマイルーム隣のムラクモ10班自室。 ラウンジがあると弁当入手後にトリックスター武具入手 非番のムラクモへ ナビと会話→研究室左部屋の研究員と会話→池袋400m外周でブリザロスと戦闘→研究員と会話 火力が高いので火傷、ディフェンスゲイン等が必須。凍傷も痛いので行動回数が多いキャラは防止アクセを付けておこう。 2回目の研究員との会話時 選択肢 結果 ホントに平気? クエストが進行する SKY以上に酷使してるはず クエストが進行する 選択肢 結果 短い命って… クエストが進行する ふたりには長生きしてほしい… クエストが進行する クエストクリア後にマイルームに戻ると、ナビのメッセージが添えられた「ひのまる弁当」が入手できる。 ナビからの弁当 ひのまる弁当 1個 ラウンジがあるとナビたちとのイベントが発生。 選択肢 結果 自信が沸いてきた! イベントが進行する 頼もしくなったな! イベントが進行する 選択肢 結果 もちろんだ! イベントが進行する そう望んでくれるなら イベントが進行する 選択肢 結果 もちろん! イベントが進行する 当たり前だ! イベントが進行する イベント中、「ナビカップケーキ」を3個と「3.6のアドレス」「3.7のアドレス」を入手する。 手紙を渡してちょーだい! ネコ→アリアケ→ネコ クエストクリア後にマイルームに戻ると、ネコのメッセージが添えられた「からあげ弁当」が入手できる。 ネコとの会話時 選択肢 結果 あのオジサンって誰のこと? クエストが進行する バカな作戦ってわけでも… クエストが進行する 2回目のネコとの会話時 選択肢 結果 手紙じゃなくて、会って話せ クエストが進行する いつまで逃げてるつもりだ? クエストが進行する 選択肢 結果 オジサンは会いたがってるよ クエストが進行する もっと素直になれ! クエストが進行する 選択肢 結果 ネコは知れでいいと思う クエストが進行する 気持ちはきっと伝わってるよ クエストが進行する ネコからの弁当 からあげ弁当 1個 タイプ シンボル 宝箱 個 救助 改修案 報酬 必要条件 必要Dz Dz からの弁当 弁当 個 選択肢 結果 ストーリーが進行する ストーリーが進行する
https://w.atwiki.jp/dqmj2/pages/46.html
セブンス 飛行船MRG-7の船長 若かりし頃は、モンスターマスターとして バトルGPへの出場を夢見ていた
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/28.html
以下人名対象一覧(前回まで登場分) コレル:第一人称。骨の髄まで奴隷根性の日和見青年。 ニコレット:にこやかな給仕の女性。優しいお姉さん。 ハンコツ:前回名前の出てこなかった『先輩』。偉い奴は大嫌い。 ガーベラ:同じく前回名前の出てこなかった少女。あるいは幼女。 どの語尾に「ですの」を付ければいいのか迷う。 この星に暮らす二つの知的種族。 この二つの種族には、地域によって様々な呼び名がある。 例えば、 『ヒト』と『ルシェ』。 『人間』と『ルシェ』。 『人間』と『亜人』。 『ルシェ』と『他民族』。 『戦う民』と『東の民』。 『ヒト』と『半獣の民』。 ……こんな具合に。 どの呼び方をしているかでその人の出身地が判ると言われるくらい、二つの種族に対する呼び名は多い。 異邦人同士の揉め事があればその半分は種族の呼び方に関することだというのも頷ける話だ。 ちなみに僕は、『人間』と『ルシェ』という呼び方を使っている。 お国柄ヒトのことを人間と呼ぶが、自分の事を亜人と呼ぶほど卑下するつもりは無いというわけだ。 (亜人というのは『人間に次ぐもの』という意味らしい。僕としては『ヒトとルシェ、合わせて人間』だと思っている。) で、僕はルシェであることを特別にこそ思っていないが誇りには思っている。 自分を構成するアイデンティティーのひとつでもあるわけだし。 ……だから、 「あんたなんか、これっぽちもルシェを名乗る資格なんてないわよ!!」 ……なんてことを言われると、ものすごくヘコんでしまうのだ。 ―――――――――――――――――――― あれから少し経った。 相変わらず僕はこのニギリオの宿で、日夜こき使われる日々を送っている。 まあ『仕事を楽しむ』すべを取得している僕にとってはこれくらいなんでもない…… ……なんて言うと一気に仕事量が増える気がするので言わないが、それなりに気楽にやっている。 もちろん肉体的にはまだまだ負荷が激しいが仕事も少しずつ覚えてきたし、 口は悪いが根は良い先輩であるハンコツさんとも仲良くなって今のところここでの生活は順調だ。 このままいけば……いけば? 若いうちにした苦労は人格を磨き、肉体を強くする。 このまま経験を積み重ねていけば、何十年か後には僕も良い感じにくたびれた頼もしい使用人になれるだろう。 朗らかで親しみやすくそれでいて有能な、そんな使用人になることが僕の目標なのだ……お嫁さんも欲しいかな。 後者の目標は達成できるか分からないが、出会いはひょんなところに転がっているもの、 運を天に任せてそのときが来るように祈ろう。 「さてと!」 そんな事を考えているうちに客室に箒をかけ終わり、僕はちりとりを手に立ち上がった。 履物入れの方を掃除していたハンコツさんを見るとあちらもブツクサ言いながら片付け終わったようだ。 「よし、じゃこの部屋で終わりですよね」 「ん、おぉ」 ハンコツさんとは楽しそうに仕事をしているのが気に入らないと因縁をつけられたところからの仲だが、 分かり合ってからは一緒に仕事をすることも多く、性格は違えど親友と言っていい付き合いを続けている。 彼と共に部屋を出ると、すぐそこでこれまた最近すっかり顔馴染みとなった女の子と出くわした。 「お疲れ様ガーベラちゃん」 「お疲れ様ですの」 水桶運びを手伝って以来親しくなったこの女の子は、 最近人に仕事を頼むということを覚えてスムーズに仕事を進められるようになったようだ。 「客室にお花をかざりに来たんですの」 「ふぅん……浴場入り口のチェックは?」 「今はお掃除中ですたっふおんりーですの」 「あ、そっか」 「で?こりゃ色の違うのを一本ずつ挿しゃいいのか?おーい!マンザラ!」 「んー?なんだ?」 ハンコツさんに呼ばれてもう一人の青年が顔を出す。 この人がマンザラさん、髪を刈り込んであるとこなんかはハンコツさんとそっくりだが 性格は似ても似つかない穏便主義でどちらかというと僕と気が合うタイプだ。 「花だとよ。花瓶だしとけ花瓶」 「おう」 ちなみに仲良くなる人仲良くなる人皆お互いに親しいので不思議に思ってはいたが、 なんのことはない。どんな職場でもなかよしグループというものは出来るらしく、 僕がそのグループの一つに入っていこうとしているだけだった。 思えば会った時から僕の情報も伝わっていてあっさり仲良くなれたなあと思わないでもない。 「じゃ、僕達は庭の掃除に戻りましょうか」 「かったりぃなあ……」 「またそんなことを。……ん?」 それに気付いたのはそのときだった。 ここは二階の、吹き抜けに面した客室前なのだが一階がなにやら騒がしい。 手すりから身を乗り出して下を覗くと、階下ではちょっとした騒ぎが起こっていた。 「なんだぁ?」 どこか死角の奥の方から言い争う声が聞こえてくる。 周りの騒ぎを聞きつけた人たちの話し声で良く聞き取れないが、 一際大きく聞こえるのは若い女性がなにか知らない言葉を交えてまくし立てる声だった。 そのままひとしきり言い争いを聞き続ける。と、やがて眼下を一人の少女が賭け抜けて行った。 すぐに彼女は死角に入ってしまい、そちらの方からまた騒がしく声が聞こえてくる。 「とりあえずあの女が騒ぎの原因みてーだな」 「そうですね」 階段を下りていくと、途中でまたちらりとあの少女が見える。 金色に少し茶を混ぜたような髪と、同じ色をした耳。 一瞬しか見えなかったが彼女が旅人らしい服装をしていることも分かった。 (旅行中のお客さんかな?……それにしても) 「……あの子、可愛かったなぁ」 「そうかぁ?」 思わず口に出てしまったが仕方ないので彼女に意識を戻そう。 先程見えた彼女が一般的にみて美人とカテゴライズされるかは疎いので分からないが、 少なくとも分かったことは、僕は彼女のような女性がタイプらしかった。 (もしかしてこれが世に言う出会いの機会、というやつなんだろうか) 「……なんて、そう都合よく出会いがあるとも思えないけど」 「おいおい本気かよ……お前あーゆーのが好みなのか?」 「うっさいですね」 しかしまあ、運がよければ知り合いになれるかもしれないチャンスだ。 とりあえず行ってみるだけ行ってみることにして、僕は騒ぎのあった吹き抜けのほうに近付いていく。 近い。 どうやら現場はすぐそこらしく、僕は戸の無い入り口からそちらのほうへ顔を出した。 そして、 見えたのは靴の裏だった。 「どっけえええええぇぇぇぇぇ!!!」 ……ええ、そりゃもう見事な浴びせ蹴りだった。 入り口の上枠を掴み身体を振り子のようにスイングさせながらの一撃は、 パワー、スピード、角度ともに必殺の一撃と呼ぶにふさわしい威力で僕の真芯をきれいに捉え、 その意識を即座に刈り取りエデンの果てまでぶっ飛ばしてくれた。 …………惚れたよ。 ―――――――――――――――――――― 気が付くと天井を見ていた。 「知ってる天井だ……」 屋根と、壁と、床しかない従業員宿舎の天井だ。 僕はその従業員宿舎(男子用)で布団に寝かされていた。 ハンコツさんが声をかけてくる。 「よう、頭は大丈夫か?」 「いきなりご挨拶ですね……」 「冗談言ってんじゃねーよ、ほんとに頭の方は問題ねーのか」 「うーん……」 若干くらくらするが特に問題はなさそうだ。 立ち上がってみると平衡感覚も異常はないようだった。 「大丈夫みたいです」 「おう。ま、今日はゆっくり休んどけ」 「仕事は?」 「お前な……ああ仕事な、なんというか、その、いろいろあってな」 「よく分かんないですけど……そのどさくさに紛れてハンコツさんもサボってるという予感がヒシヒシします」 「うっせえ」 図星か。仕方ないなと思いつつ、僕はもうひとつ気になることを思い出していた。 さっそく横を向いているハンコツさんに聞いてみる。 「あの……あの女の子は?」 「あいつか?まだここにいるぜ」 「!ほんとですか?」 気を失っている間にいなくなってしまったかと思っただけに、少し嬉しかった。 我ながら懲りないとは思うが、ハンコツさんに頼んで彼女のもとに連れて行ってもらうことにする。 宿舎を出るともう夕方だった。 「……はぁ?あの女が気に入っただぁ?」 「えぇと、まあ」 「お前を出会いがしらに蹴り飛ばした奴だぜ?……お前もしかしてそっちのケがあったとか」 「違いますよ!」 「じゃ、強い女が好きなのか?」 「そーゆーのとも違うような」 「じゃなんでだよ……」 「そこが自分でも分からないところが不思議とゆーか」 「わかんねえ奴だな、ほれ、いたぞ」 指差す方に目を向ける。 するとそこに、ニコレットさんとマンザラさんの傍らに、確かに彼女はいた。 金色にぱさついた茶色を混ぜたような髪。 気の強そうな目。 不満を表して膨らんだ頬にぴりぴりとせわしなく震える耳。 彼女がそこにいた。 「だーかーら!私はお金が無くてここに売り飛ばされてきたんじゃなくて……」 「分かったから落ち着きなさい。ね?」 「落ち着けるわけ無いでしょ!?こっちは騙された挙句散々コケにされたのよ!?」 「よう、相変わらず喚いてんな」 「あぁ!?」 ご機嫌斜めのようでどう声を掛けたものかと逡巡する僕を尻目に、ハンコツさんがあっさりと声を掛ける。 超反応で飛んできた殺人的な視線を受け流し、ハンコツさんは親指で僕を指し示た。 「ふん。おい、目を覚ましたから連れてきたぜ。とりあえずこいつになんか言うことはねーのか?」 「ああん?……誰だっけ、あんた」 覚えてない!? 若干ショックにとらわれる僕を見てマンザラさんが助け舟を出してくれる。 「お前さんが蹴り飛ばした男だよ、覚えてないか?」 「……あぁ!」 追加説明でようやく僕の事を思い出したらしく、納得したように手を打って彼女は僕に近付いてきた。 「ふーん……そっか、あんただったんだ。 ごめん、蹴り飛ばしたりして悪かったわね」 「気にしないで、このとおり元気だから」 そう答えながら僕は目の前の少女を観察した。 若干気性は荒いが、少なくとも悪い人じゃなさそうだ。 そっけない言い方だがいいかげんな謝罪じゃない。 「それより、僕が蹴られたときの事の経緯が知りたいかな。 あ、僕はコレル、ここで働いてる使用人だよ」 とりあえず話の糸口はつかめた。 ついでに名前も聞き出したいところだけど…… 僕の思いを知ってかしらずか、ニコレットさんが絶妙な援護射撃をしてくれた。 「そういえば名前も聞いてなかったわね。私はニコレット、あなたは?」 「……バレッタよ。ネバンのバレッタ」 「ネバンプレス?」 ネバンプレス帝国。 『孤高の戦団』と呼ばれた異国の地。 彼女――バレッタさんの口から出た言葉を聞き、 僕は彼女の名前を記憶に刻み込むとともに自分の持っているネバンプレスの知識を展開した。 ちなみに、僕の情報源は元旦那様の家にあった本だけなので 持っている知識も受け売り状態であるのはわかって欲しい。 ネバンプレスは西大陸に築かれたルシェの国だ。 アイゼンとの仲は悪い……を通り越して断絶状態だったりする。 その理由の一つは過去の経緯。 カザンができるより、ミロスがアイゼンから独立するより昔、 それこそ千年単位の昔に、東大陸で迫害を受けたルシェは東大陸に残ろうとする同胞と袂を分かち 自由な土地を求めて西に旅立った。 海を越え砂漠を越え、雪原を渡り彼らは苛酷な環境を切り開いて一つの国を造り上げる。 それが後のネバンプレスだ。 そんな彼らが東大陸の民を良く思っていたわけが無い。 特にその昔から現在に至るまで存続しているアイゼンなどはなおさらだ。 対立感情こそ何百年という時が洗い流してくれたが、 今でもアイゼンにとってネバンプレスは辺境の蛮族の国だし、 ネバンプレスにとってアイゼンは変わろうとしない古い考えに凝り固まった者たちの国だ。 最近ドラゴンに対抗するために開かれた世界協定のときも双方の代表者は一言も口を聞かなかったらしい。 まさに好きの反対は嫌いではなく無関心……を体現するような関係だが、 まあお互いに遠ざけあうことで余計な争いが生まれないならそれはそれでいいのかもしれない。 世界に六つしか国家のないこの星で、もし戦争なんかしても馬鹿馬鹿しいしね。 もう一つの理由は、単純に地理的な関係。 二国はエデンの北西と南東、まさに世界の反対側だ。 世界の北と南、西と東は繋がってるんじゃ?なんてツッコミは却下する。 アイゼンからネバンプレスに向かおうと思ったら、アイゼンの公式船団にでも便乗しない限り 北上してトドワの丘を越え、ミロスに入り、西に向かってカザンに到達、船で南下して プレロマを経由しつつ西の玄関口ゼザに向かい、そこから砂漠と雪原を越えてようやくネバンに到着となる。 そもそもネバンプレスはその地理的な関係からゼザを経由してプレロマと多少交流がある程度で、 その他の国に対しては殆ど交流が断絶しているまさに『孤高の戦団』なのだ。 ……とまあ、彼女の故郷、ネバンプレスとアイゼンの関係はそんな感じか。 「で、そんな遠いところから何しに?」 「旅行よ」 「……」 ま、まあ断絶しているというのは国家レベルの話であって、 諸国漫遊を一種のたしなみとするアイゼン貴族なんかもたまにネバンプレスに行ってたりはする。 ネバンプレスからの旅行者がいたとしても驚くことじゃない、うん。 「どうせだから思いっきり文化の違うとこに行ってやろうと思って、 貯金をはたいて世界の反対側のアイゼンくんだりまでやってきたのよ。 ……そしたら、そしたらよ!?」 「どーせ怪しいボッタクリの店に引っかかったとかだろ?」 「違うわよ!おいしいカニが食べられるって言うから、そいつに付いてここまで来たら いつの間にかお金を盗られ荷物を盗られ、ご丁寧にここの従業員に登録されて その上連れて来た奴はあたしのチケットで船で逃げててここに置き去りにされてたのよ! 追っかけようにもチケットすらないからどうしようもなくて……!」 「「………」」 「なおさらバカだろ」 「よくもまあそこまで……」 「きいいぃぃ!!」 哀れみの視線(呆れ含む)を向けられて彼女は地団太を踏んだ。 僕はといえばそんな彼女の一挙一動足を微笑ましく見守っていたが、 あまり見つめているのも失礼かもしれないと思い直し、話を進めることした。 「ここにいる事情は分かったけど……そこから僕を蹴り飛ばすまでの間にどんな経緯が?」 さしあたって次の疑問を向けてみる。 ……すると、彼女の様子に変化があった。 なんとも嫌そうな顔というか、じと目で恨めしい視線を送ってくる。 何か変なことを言っただろうか。少し逡巡したが、答えはすぐに出た。 「……あんた、もしかして蹴ったこと根に持ってんの?」 「え?あ、いやごめん!そんなつもりじゃ」 あんまり僕が蹴り飛ばした蹴り飛ばした言うもので気になったらしい。 反省しつつ僕は先を促した。 ちなみにニコレットさんとマンザラさんは仕事が残っているらしく、 ここで僕達に断りを告げてから戻っていった。 「先って言っても……あとはそう、そうよ! なによあいつ、あの強欲ジジイ!人が騙されたんだって言ってるのに こっちも金を払ったんだからその分は働いてもらわないと困るとか!」 「あー、言いそうだ」 ってかやっぱり僕のときは天邪鬼だったのだろうか。 「私を騙した奴から取り返せって言ってもふん捕まえて連れ戻してくるから待てって言っても 全然話にならないからしまいには一旦逃げるしかないと思って……」 「で、出て来たこいつを思わず蹴り飛ばしたわけだ」 「……そうよ」 「ふぅん」 「ハンコツさん……だからあんまり蹴り飛ばす蹴り飛ばす」 「別にいいわよ…… ……ふん!さて、どうやってここを出て行くか考えないとね。 さっきは止められたけど、あの強欲ジジイ 次になんやかんやふざけたことを言ってきたらこうして!こうして! こうっしてっ叩きのめして、堂々と出て行ってやるわ!」 「勇ましいね……」 「当然でしょ!」 空を切ってシャドーボクシングやらキックやらしている彼女は、 ちょっぴり気後れの入った声を掛けると得意げに胸を張った。 「勇猛なるはルシェの魂、いかなるときも恐れを知らず! どんなときも勇敢であってこそのルシェ、あんな耄碌なんて怖くもなんとも無いわ!」 「……はぁ」 ふふん!とばかりに胸を張るのに同調するように耳が誇らしげにぴんと立つ。 僕はそれを可愛らしいと思いつつ、だけど彼女のセリフに少しだけ違和感があった。 ――さて、事情を聞くのは大体済んだ。 後はお金も荷物も無い彼女が今後どうするかだ。 とりあえず僕としてはこれ以上彼女とジェン爺がぶつかるのは避けたい、どうにか穏便な解決を承諾してもらわないとね。 そう思って僕は、それが後に頭を抱える事態への導火線とも知らずにその話題を出した。 「ところで、これからどうするの?ジェン爺のこともあるし…… 出来れば話し合いで何とかして欲しいんだけど」 「私だって別にケンカしたいわけじゃないわよ? ただ、あいつが次もあの態度なら確実にぶちのめしてやることになるけどね!」 「あの……あれでも僕らの主人なんだけどな」 「は?」 振り返った彼女は、何を言ってるのか分からないという顔をした。 「主人ったって、契約上の話でしょ?」 「そうなんだけど、まあどっちにしろ主人であることに変わりはないし」 「ちょっと待ってよ……何?あんたあいつになんか良くしてもらってんの?」 「へ?まさか!目の敵にされてしょっちゅう怒られてるよ」 「ならなんで庇うのよ……ちょっと見たけどあいつ、従業員に高圧的な態度ばっかじゃない」 「まあ、仕方ないことだし……それにそれとこれとは別でしょ? 使用人は主人の役に立つように働くもんだし」 「あんた……おかしいとは思わないの?」 彼女が眉をひそめて理解できない、という顔をする。 それだけでなく、確かに僕の答えは彼女の不快さを刺激しているらしい。 それが分かっていながらも、僕はこう答えるよりなかった。 「……特に」 「…………」 彼女は今度こそ不快さを顔に表した。 ため息を一つ、そしてただ一言。 「……飼い慣らされてんのね……」 「……!」 「何よ、違うの?」 「……否定はしないよ」 「しないの」 「……」 なんだか嫌になるような沈黙が落ちる。 「ちょっと聞くけどあんた……ルシェの誇りは無いの?」 「……」 「何よ?」 「なんでもない。……ルシェであることを誇りには思ってるけど、ルシェの誇りとかは無いと思う」 「何言ってんの……!?」 「そんなことより、」 「そんなことよりじゃない!」 彼女はついに怒鳴った。 困った。どうも僕は、彼女の退くことのできない場所に踏み込んでいるようだ。 どうにか話を逸らそうとするのが、またしても彼女の険に触れる。 「ルシェの誇りよ!?それを、あんたはそんなことで済ますわけ?」 「……僕は、せっかく人間とルシェと二つの種族があるんだし、 片方にこだわらなくてもいいかななんて。それに……」 「ちょっと待ちなさいよ……」 「え?」 「なんであんたは東の民を人間って呼ぶの?ルシェだって同じ人間でしょ……!?」 「あ」 ……完全に不意打ちで、僕は自分の失言を知る。 まさに続けざまに地雷を踏んでいる状況だった。 そうだ。ネバン出身の人の前で、ヒトを人間と呼ぶべきでないなんてことは知っていたのに…… 「アイゼンでは……そういう風習なんだ。確かに僕もルシェだって同じ人間だとは思うけど……」 「……もういいわ。でもね、これだけは言うわよ……!」 そして彼女は、満身の怒りと軽蔑を込めて言い放った。 「あんたなんか、これっぽちもルシェを名乗る資格なんてないわよ!!」 ……ものすごくヘコんだ。 さて、ヘコんだことはヘコんだがこのくらいはここに来てすぐの頃にもあった。 ハンコツさんに自分が見ないでいた現実を突きつけられ、ヘコんだ事だ。 だけど今回はこれで収まらない。 僕が精神的なダメージを受けている間に、事態はすでに動き出していた。 「……おい、その辺にしてやれ。そいつは平和主義なんだからよ」 ずっと口を出せないでいたハンコツさんがさすがに口を挟んできた。 僕を見下ろしていた彼女がそちらを向く。 「だって……私はね、ルシェの魂を侮辱する奴だけは大嫌いなの。 特にアイゼン人なんて大嫌い、ルシェの誇りを踏みにじる連中だもの! それなのにこいつは、」 「で、そんなこと言うためにわざわざアイゼンまで来たのか」 ……ハンコツさんがやや強引に遮った。 あの違和感が原因だ。 さすがに遮られたことには気付いたらしく、彼女は訝しげにハンコツさんを睨んだ。 「……何よ?」 「なんでもねえよ」 「何なのよ!」 「なんでもねえって言ってんだろ!それよりこいつはな、……ん?」 僕はハンコツさんの肩をつかんだ。 ここは、僕に言わせてほしい。 さて、前にもヘコんだと言ったが、前とは違うことが一つある。 僕は反省していない。反省してはいけないのだ。 ハンコツさんは僕が現実を見ていないことを怒ったが、彼女は違うところを怒った。 そう、彼女にはネバン人であるがゆえに許せないことがある。 だけどこれは納得するところではない。ハンコツさんは口に出すのをためらったが、 僕はあえて口にしてみようと思った。なによりこのままじゃ僕の評価はどん底のままだしね。 「ちょっといいかな」 「……!何よ?」 へこんでいたはずの僕が話しかけたことで、彼女は少し動揺したらしい。 「君の言うとおり僕は飼い慣らされてるし、強く物を言えないし、 僕が情けない奴だってことは弁解もしようが無いくらい確かだけど、 でも、僕にルシェを名乗る資格がないってのと、アイゼン人が嫌いだってのは取り消してほしいんだ」 「は……なんであたしが?ううん、あんた、自分が何言ってるのか分かってんの?」 「わかってもらわなきゃならないのはそっちだ」 「……!」 わざわざ気に障るような言い方をしてしまったなと思いつつ 彼女の様子を伺えば、案の定激高して猫のように毛が逆立つのがわかるようだ。 だけどこれを納得してもらわなければ僕の評価も回復しないし、なにより余計な軋轢の原因になりかねない。 それを忠告する意味でも言っておかなければ。さて、どう切り出したものだろう? 「……ネバンプレスの人たちは、自分達の事を呼ぶとき ネバンの民とは言わずに『ルシェ』って呼ぶよね。いつだって、いつだって」 「……?だから……何よ……?」 「……アイゼン人は嫌い?」 「嫌いよ、大っ嫌い」 「そう…… ……僕は」 そのとき彼女がかすかに怯えているように見えたのはきっと気のせいだろう。 「僕は、『ルシェ』で、『アイゼン人』だ」 「…… ……… …………………………!!!!!!!」 彼女が凍りついた。 そして、まるで追い討ちをかけるように次の言葉が紡がれる。 「だから僕は、ネバン人が嫌いだ」 ―――――――――――――――――――― ……なんてことはもちろん言わないけどね。 でも、ネバンプレスが言うルシェとアイゼンのルシェが違うってことは分かって欲しい。 ネバンプレスとは違う誇りだから分かってもらえないとは思うけど、 でも違う誇りを持っているってことは分かってくれるでしょ? 僕らは皆アイゼン人だ。 それを嫌がる人だって当然いるけど、それを誇りに思う人だっていっぱいいる。 僕は、ネバンプレスの『ルシェの誇り』はとても気高くて崇高なものだと思うよ。 だから、君もこういう生き方もあるんだって少しでも認めてくれたらとても嬉しいな。 ……って言おうとしたら天井を見ていた。 「……あれ?」 夢オチ? しけた布団から頭をめぐらせて横を見ればそこにハンコツさんがいる。 「よう、頭は大丈夫か?二重の意味で」 「えーと……どこからが夢ですか?」 「はぁ? ……とりあえずお前があの女に蹴られたとこまでは現実だぞ」 「えと、客室の掃除をして一階に降りたときですか?」 とすると、あれから先のことは全部夢だったのだろうか。 それはさすがにキツイと思ったが、そうではないとハンコツさんが教えてくれた。 「あ?違う違う、二回目の方だ」 「二回目……」 「覚えてねえのか?」 「はい」 「はぁ……顎はどうだ」 「顎?」 言われて気付いた。 なんか……鈍痛というか痺れるというか…… 「なんていうか、顎がきしむような……」 「あれをもらっちゃなあ」 ま た 蹴 ら れ た の か ! 「……何されたんですか僕」 聞くのが怖いが聞かないわけにもいくまい。 ハンコツさんは顎をさすりながらなんとも言えない顔で、 「何って、俺も目では追えなかったけどな。いやもう、あの時は色々凄かったし。 お前がいきなりとんでもねえこと言い出して、一体こりゃどうなるんだと焦ったら突然、 バチン、って音がしてよ。何事かと思ったらもうすでにあの女の足が180°上を向いてて…… そりゃもう見事だったぞ?お前少し宙に浮いてたしな」 「……」 「ま、あの女も思わず反射的にやっちまったみたいだし、舌を噛まなかっただけ幸運だろ」 「そうですね……って、え」 なにか聞き逃せないことを聞いたような気がする。 思わず反射的に……とんでもないこと? 「え、あの、ハンコツさん?」 「ん?」 「僕がとんでもないことを言ったって……何言いましたっけ?」 「へ?それも覚えてねえのか?ええと、自分はルシェでアイゼン人だから……」 ――僕は、『ルシェ』で、『アイゼン人』だ。 ―――だから僕は、ネバン人が嫌いだ。 「……あああぁぁああぁぁあ!?」 そこで!? そのタイミングで切られたのか!? 「おい、なんだどうした?」 「そんな……それじゃ嫌われるどころの話じゃ……」 「おーい、しっかりしろ」 「――はぁ、で、本当はその後にも続けようとしたんだけど 蹴られてそこしか伝わらなかったのね」 これはニコレットさんだ。 ものすごく落ち込む僕を、ハンコツさんはとりあえず食事だと皆が集まる裏庭へ連れてきたのだった。 「そうなんです……」 「俺もネバンの奴らは気に食わねえけどよ、それにしたってよくもあそこまで真正面から 言ってのけたもんだと思ったくらいだぜ?ありゃもう宣戦布告とかそういうレベルじゃねーな」 「そんなに」 「あぁ……」 「まぁ、その、なんというか、お前も大概バカだよな」 仰るとおりです。 「とりあえず元気出しなさい。ほら、食べて食べて」 「はい……」 玄米パンをもそもそと食べながら今回の件でどれほど嫌われたかを計算する。 食欲が失せそうなので即座にやめた。 とりあえず謝罪だけはしておこうか。 そんな事を思いながら蒸かしたパンを半分ほどかじったとき、ガーベラちゃんがやってきた。 「お疲れ様ですの。私にもひとつください」 「はい、どうぞ」 「ありがとう……コレルお兄さんはどうしたんですか?元気がなさそうですの」 「そんなに元気ないかな?」 「いつもやる気に満ち溢れてるからね。あのね、あの旅人さんのことで……」 「そうだったんですか……。 ああ、だからあのお姉さん泣いてたんですね」 「「「!?」」」 泣いてた?彼女が? 思いもしなかった情報は僕達を少なからず驚愕させた。 「ちょ……それ、本当なの?」 「ばーって走ってすれ違っていったからよく見えなかったですけど……たぶん間違いありませんですの」 「それにしたってよ……あれがちょっとくらい悪口言われたくらいで泣くタマかよ!?」 「でも……」 「……世界の反対側まで来て」 「?」 一言もしゃべらずにいたマンザラさんが口を開いたのはこのときだった。 僕達が目を向けると、ちょっと考え、またしゃべりだす。 「故郷を離れ、世界を半周するような距離を旅して文化も風習も違う異国に、 それもルシェが差別されると評判のアイゼンにやってきて、心細くとも 表面上は毅然としたふうを装い、そしたら今度は騙されて金も荷物も奪われた挙句 見るからにルシェの差別されるこんなところに置き去りにされ、 あまつさえ仲間だと思っていたルシェに……その子は典型的なネバンのルシェ民族主義だったんだろ?」 「え、はいたぶん」 ネバンプレスの人たちにとってはルシェであることは特別な意味を持つ。 それは単に種族的な意味ではなく、民族的な意味だ。 そして彼らはルシェであることを重要視するあまり、時にルシェという種族であることと 彼らにとっての『ルシェ』という民族であることとを同一視することがある。 「ああ、で、その子にとってはルシェ、同属がいるということが最後の心の拠り所だったんだろうな。 それがその仲間だと思っていたルシェに真正面切って拒絶どころか敵意を向けられたら…… ……そりゃ、泣いても仕方ないかもしれん」 「うわ……」 「確かに……」 「……あ、ああああぁぁぁぁ…………」 ドツボにはまるとはこのことだろうか。 そうだ。彼女はどんな思いでここへやってきて、どんな思いでいたのだろう。 それを考えれば僕の仕打ちはあまりにも酷すぎたかもしれなかった。 どうしよう? 頭を抱え込んだ状態から見上げれば、帰ってきたのはドンマイ、という視線だった。 「やっちゃったことはしょうがないわよ。せめて謝りに行ったら?で、仲直りしてきなさいよ」 「あ、はい……」 謝って仲直り。何もしないよりはいいだろう。いや、そうすべきだ。 ただ、もう一度彼女に会いにいけるかというと…… 「……あの、だれかに付いてってもらったりは」 「ダメよ」 「ですよねー……」 「頑張れ」 「はい……」 ……はぁ。仕方ない、一人で行こう。 重い足を引きずるように、僕は彼女を探して歩き出した。
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/107.html
ムラクモ会議 すべての決議を採択するとシズカからラウンジに誘われてキングスガードをもらえる。 ドラゴンの狩り残しがなければ、X章スカイタワー突入前にターミナル開発案とDIVAルーム改修以外は採択できる。 出現時期 決議案 必要DZ 報酬 チャプター1 武装拡張案LV1 3 新製品の追加 居住区A改修案 6 ステルスLV1、バザー追加 インターミッション 武装拡張案LV2 6 新製品の追加、ブラインドガード スキル開発案LV1 4 スキル追加、500SP 大浴場LV1改修案 2 応急手当・中 地下道帰還後 自衛隊駐屯区改修案 2 ベノムカット 研究区LV1改修案 2 ブラインドカット チャプター2 武装拡張案LV3 7 新製品の追加、フロストガード 居住区B改修案 5 ステルスLV2、バザー追加 チャプター3 武装拡張案LV4 20 新製品の追加 居住区C改修案 4 EXPボーナス、バザー追加 研究区LV2改修案 6 スリープカット チャプター4(スリーピーホロウ撃破後) 武装拡張案LV5 18 新製品の追加、ストーンガード スキル開発案LV2 6 スキルの追加、2000SP ターミナル開発案 10 CHANGEの開放 DIVAルーム改修案 8 DIVAモード開放 研究区LV3改修案 10 バーンズカット SKY居住区改修案 7 アルゴスメダル、クエスト追加 チャプター5 武装拡張案LV6 18 新製品の追加 スキル開発案LV3 12 スキル(奥義)追加、3000SP 竜殺剣開発 5 竜殺剣 居住区D改修案 2 ステルスLV3、バザー追加 ラウンジLV1改修案 2 ローグスバンド チャプター6 武装拡張案LV7 11 新製品の追加、ガードリング3 スキル開発案LV4 13 スキルの追加、5000SP 大浴場LV2改修案 3 ごゆるりと… ラウンジLV2改修案 3 蘇生テクニックLV2 チャプター7 武装拡張案LV8 12 新製品の追加、デッドガード 大食堂改修案 4 応急手当・大、クエスト追加ポップ☆キャンディ(5000AZ)を購入可能になる 職人工房区改修案 3 デッドカット チャプターX 武装拡張案LV9 17 新製品の追加、アタックリング3 居住区E改修案 8 マインドガード、バザー追加 バザー ムラクモ会議で居住区改修をすると民間人がアイテムを売り始める。 最新の商品がほしい時はそれ以前の商品を全部買わないと売ってくれない。 改修案 売場 売り手 商品 売値(AZ) 詳細 1章・居住区A改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット1 200 メディス1×5、メディス2×5、ナノエイド×5 シスター見習い オールガード 500 全バステ耐性+15% 2章・居住区B改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット2 900 メディス2×7、ヒールエアロ2×7、ナノファイン×5 シスター見習い フロストカット 1200 居住区B 意地悪そうな女 状態回復セット 300 ブラネルZ×6、オゾナール×6、ソルマネル×3 マニックスの店長 SPアップ100 100 3章・居住区C改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット3 1500 メディス3×5、ヒールエアロ3×5、ストナル×10 シスター見習い ストーンカット 1500 居住区B 意地悪そうな女 食材セット×8 1000 マニックスの店長 SPアップ300 700 居住区C 商売上手な女 正宗 2000 サムライ武器 丁寧な少女 ケルベロス 2000 サイキック武器 5章・居住区D改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット4 2000 ヒールエアロ4×2、白銀水×3、ナノホープ×5 シスター見習い ストップカット 2500 居住区B 意地悪そうな女 弁当セット 1000 からあげ弁当×8、ひのまる弁当×5、特上弁当×5 マニックスの店長 SPアップ500×3 1500 居住区C 商売上手な女 フィートナイフ 3000 トリックスター武器 丁寧な少女 円月輪 3000 ハッカー武器 居住区D ガールスカウト 居合の心得 10000 居合状態で戦闘開始(サムライ) ボーイスカウト 癒しの秘湯セット 1000 質のいい燃料×10 X章・居住区E改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット5 5000 ヒュプノ結晶×2、竜蒼水×2、ヒールエアロ4×3 シスター見習い コンフュカット 3000 居住区B 意地悪そうな女 C3N4スーツ 3000 共用防具(物理特化) マニックスの店長 SPアップEX×3 2000 居住区C 商売上手な女 ゴッドハンド 6000 デストロイヤー武器 丁寧な少女 無銘・メガホン 6000 アイドル武器 居住区D ガールスカウト スウェーリング 5000 回避率+10 ボーイスカウト バッドガード 7000 全バステ耐性+50% 居住区E 元ムラクモ研究員 ドラゴン幼体×1 3000 EXゲージ全回復 はんなりお姉さん フィクスエアロ×2 3500 サイキック秘奥義 居住区A シスター見習い 奇跡の像 5000 サイキックがキセキの代行者を習得
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/108.html
ムラクモ会議 すべての決議を採択するとシズカからラウンジに誘われてキングスガードをもらえる。 ドラゴンの狩り残しがなければ、X章スカイタワー突入前にターミナル開発案とDIVAルーム改修以外は採択できる。 出現時期 決議案 必要DZ 報酬 チャプター1 武装拡張案LV1 3 新製品の追加 居住区A改修案 6 ステルスLV1、バザー追加 インターミッション 武装拡張案LV2 6 新製品の追加、ブラインドガード スキル開発案LV1 4 スキル追加、500SP 大浴場LV1改修案 2 応急手当・中 地下道帰還後 自衛隊駐屯区改修案 2 ベノムカット 研究区LV1改修案 2 ブラインドカット チャプター2 武装拡張案LV3 7 新製品の追加、フロストガード 居住区B改修案 5 ステルスLV2、バザー追加 チャプター3 武装拡張案LV4 20 新製品の追加 居住区C改修案 4 EXPボーナス、バザー追加 研究区LV2改修案 6 スリープカット チャプター4(スリーピーホロウ撃破後) 武装拡張案LV5 18 新製品の追加、ストーンガード スキル開発案LV2 6 スキルの追加、2000SP ターミナル開発案 10 CHANGEの開放 DIVAルーム改修案 8 DIVAモード開放 研究区LV3改修案 10 バーンズカット SKY居住区改修案 7 アルゴスメダル、クエスト追加 チャプター5 武装拡張案LV6 18 新製品の追加 スキル開発案LV3 12 スキル(奥義)追加、3000SP 竜殺剣開発 5 竜殺剣 居住区D改修案 2 ステルスLV3、バザー追加 ラウンジLV1改修案 2 ローグスバンド チャプター6 武装拡張案LV7 11 新製品の追加、ガードリング3 スキル開発案LV4 13 スキルの追加、5000SP 大浴場LV2改修案 3 ごゆるりと… ラウンジLV2改修案 3 蘇生テクニックLV2 チャプター7 武装拡張案LV8 12 新製品の追加、デッドガード 大食堂改修案 4 応急手当・大、クエストの追加ポップ☆キャンディ(5000AZ)を購入可能になる 職人工房区改修案 3 デッドカット チャプターX 武装拡張案LV9 17 新製品の追加、アタックリング3 居住区E改修案 8 マインドガード、バザー追加 バザー ムラクモ会議で居住区改修をすると民間人がアイテムを売り始める。 最新の商品がほしい時はそれ以前の商品を全部買わないと売ってくれない。 改修案 売場 売り手 商品 売値(AZ) 詳細 1章・居住区A改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット1 200 メディス1×5、メディス2×5、ナノエイド×5 シスター見習い オールガード 500 全バステ耐性+15% 2章・居住区B改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット2 900 メディス2×7、ヒールエアロ2×7、ナノファイン×5 シスター見習い フロストカット 1200 居住区B 意地悪そうな女 状態回復セット 300 ブラネルZ×6、オゾナール×6、ソルマネル×3 マニックスの店長 SPアップ100 100 3章・居住区C改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット3 1500 メディス3×5、ヒールエアロ3×5、ストナル×10 シスター見習い ストーンカット 1500 居住区B 意地悪そうな女 食材セット×8 1000 マニックスの店長 SPアップ300 700 居住区C 商売上手な女 正宗 2000 サムライ武器 丁寧な少女 ケルベロス 2000 サイキック武器 5章・居住区D改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット4 2000 ヒールエアロ4×2、白銀水×3、ナノホープ×5 シスター見習い ストップカット 2500 居住区B 意地悪そうな女 弁当セット 1000 からあげ弁当×8、ひのまる弁当×5、特上弁当×5 マニックスの店長 SPアップ500×3 1500 居住区C 商売上手な女 フィートナイフ 3000 トリックスター武器 丁寧な少女 円月輪 3000 ハッカー武器 居住区D ガールスカウト 居合の心得 10000 居合状態で戦闘開始(サムライ) ボーイスカウト 癒しの秘湯セット 1000 質のいい燃料×10 X章・居住区E改修案 居住区A 薄幸そうな少女 救急セット5 5000 ヒュプノ結晶×2、竜蒼水×2、ヒールエアロ4×3 シスター見習い コンフュカット 3000 居住区B 意地悪そうな女 C3N4スーツ 3000 共用防具(物理特化) マニックスの店長 SPアップEX×3 2000 居住区C 商売上手な女 ゴッドハンド 6000 デストロイヤー武器 丁寧な少女 無銘・メガホン 6000 アイドル武器 居住区D ガールスカウト スウェーリング 5000 回避率+10 ボーイスカウト バッドガード 7000 全バステ耐性+50% 居住区E 元ムラクモ研究員 ドラゴン幼体×1 3000 EXゲージ全回復 はんなりお姉さん フィクスエアロ×2 3500 サイキック秘奥義 居住区A シスター見習い 奇跡の像 5000 サイキックがキセキの代行者を習得 コメント 最新の15件を表示しています。 コメントページを参照 名前
https://w.atwiki.jp/halyama6318/pages/90.html
B01-059 カオスドラゴンナイト イラストレーター : 天野英 コスト 1 防御 400 攻撃力[追加ダメージ] 1200 2300 3400 4500 5600 6800 [+1] レアリティ SR 属性闇 タイプドラゴン カード種類モンスターカード進化段階2進化 進化元ダークドラゴンナイト 究極進化素材- 効果タイプ 進化 カード効果進化したとき、あなたのドラゴンタイプのモンスター全てをアクティブにする。 ドロップ 木 光 闇 収録・配布ブースターパック第1弾『旅立ちの刻』収録